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2020 Fiscal Year Research-status Report

小児難治性白血病のエネルギー代謝解析

Research Project

Project/Area Number 19K17367
Research InstitutionUniversity of Miyazaki

Principal Investigator

木下 真理子  宮崎大学, 医学部, 助教 (40740345)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords急性白血病 / がん代謝
Outline of Annual Research Achievements

小児急性白血病(ALL, AML)の生存率は大幅に向上したものの、一部においては未だ化学療法、造血幹細胞移植あるいは分子標的療法へ抵抗性を示すため新たな治療戦略の開発が急務である。本研究は、治療抵抗性の白血病原因遺伝子に特異的なエネルギー代謝表現型を明らかにすることで小児急性白血病をエネルギー代謝の観点から分類し、エネルギー代謝特性に適した治療法を開発することにより白血病の予後改善に繋げることを目的とした。具体的には I.白血病細胞が解糖系あるいは酸化的リン酸化どちらにエネルギー産生を依存しているのか、II.白血病細胞のエネルギー産生がどのような栄養基質 (グルコース、グルタミン酸、ピルビン酸、脂肪酸等)に依存しているのか明らかにし、III.白血病細胞に対して既存の抗がん剤と代謝阻害剤を用いて効率良くエネルギー代謝を阻害する薬剤を同定する。2020年度も継続してI.白血病細胞のエネルギー代謝表現系の解析については、治療抵抗性AMLの解析としてMLL(KMT2A)再構成を伴う白血病とTCF3-ZNF384陽性AMLの代謝表現系の解析を行なった。いずれの白血病細胞においても解糖系よりも酸化的リン酸化(OXPHOS)優位の代謝であった。MLL再構成AMLにおけるOXPHOS活性化の機序としてAMPKの下流に位置するPGC1αが重要であることを発見した。次に、TCF3-ZNF384についてはマウス骨髄前駆細胞に遺伝子導入しレシピエントマウスに移植し白血病発症モデルの構築を行なっている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

I. 白血病細胞のエネルギー代謝表現系の解析については予定されていた白血病細胞株と患者検体10例の代謝表現系の解析を終了した。KMT2A-MLLT3再発症例とTCF3-ZNF384再発症例の難治例ではOXPHOS活性優位であることを見出した。
II. 白血病細胞のエネルギー産生に関わる栄養基質の同定についても10例の患者検体について解糖系エネルギー代謝に利用可能な糖質を細胞外フラックスアナライザーを用いた解析で同定した。
III. エネルギー代謝を基軸とした白血病病型の分類と代謝阻害薬剤の選択について
難治性白血病の治療抵抗性に寄与するOXPHOSを活性化する機序を明らかにした。

Strategy for Future Research Activity

2019年度の解析で興味深い代謝特性を示したKMT2A-MLLT3再発症例とTCF3-ZNF384再発症例においては初発時と再発時の検体を用いてトランスクリプトーム解析とメタボローム解析による統合オミクス解析を行い、白血病再発を誘導する代謝リプログラミング機構を明らかにする。TCF3-ZNF384についてはマウスモデルが存在していないためマウス骨髄前駆細胞遺伝子導入モデルとPDXモデルを樹立し抗白血病効果を示す化合物を同定する。また、治療法開発についてはOXPHOS阻害候補化合物を用いて難治性白血病に添加しOXPHOS抑制効果がより高い化合物を治療薬候補とする。細胞膜透過処理試薬を用いた解析を行い直接ミトコンドリア代謝阻害効果が高い化合物を細胞外フラックスアナライザーを用いて抽出する。さらに既存の抗がん剤との併用効果について検討する。

Causes of Carryover

学会発表未であり差額が生じた。
2021年度の化合物購入費用として使用する。

URL: 

Published: 2021-12-27  

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