2019 Fiscal Year Research-status Report
Ab Initio遺伝子軌道法を用いた新生児疾患関連遺伝子ネットワークの同定
Project/Area Number |
19K17369
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
柳沼 和史 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70839399)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 新生児 / エクソソーム / miRNA / lncRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
周産期医療の進歩により、日本の新生児死亡率は現在世界のトップレベルを維持している。しかし、新生児慢性肺疾患、未熟児網膜症などの合併症は増えており、疾患のさらなる病態解明や 治療薬開発が急務である。我々は、新生児の血液から、mRNA,マイクロRNA(miRNA),長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)を内包するエクソソームを抽出することに成功した。 本研究の第一の目的は、早産児から正期産児までの臍帯血を用いてエクソソーム、 lncRNA,miRNA,mRNAの発現解析を行い、データベースを構築することである。 第二の目的は、得られたデータベースを研究協力者の森らが開発したAb Initio 遺伝子軌道法(国際出願番号: PCT/JP2018/013877)を用いて解析し、新生児慢性肺疾患、未熟児網膜症、壊死性腸炎について発症 や重症化に関与する疾患関連lncRNA-miRNA-mRNAネットワークや疾患バイオマーカーを同定することである。本研究により、各疾患モデル動物を用いた病態解明や治療薬開発にむけた基礎研究への展開も期待できる。 当該年度において、予備実験で、ヒト血清中のエクソソームならびにmiRNAの抽出、濃度測定について実施した。Agilent バイオアナライザー2100を用いてRNA Integrity Numberを測定し、抽出されるRNAの質に関しても問題ないことを確認している。エクソソーム特異的タンパクであるCD63,CD9の発現をウェスタンブロットで確認した。また、real-time PCR法を用いて、miRNAの発現も確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス流行により、実験設備や機材の調整ができない時期があったこと。 並びに、臨床と並行しながら研究を行っているため、時間の確保が難しい場合があること、が主な理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究に必要な臨床検体数は、すでに確保できている。 予備実験で、ヒト血清中のエクソソームならびにmiRNAの抽出、濃度測定は確認できており、現在のプロトコールで問題ないと判断している。エクソソーム特異的タンパクであるCD63,CD9の発現をウェスタンブロットで確認している。また、real-time PCR法においてmiRNAの発現も確認できている。 今後は臨床検体からのエクソソーム、miRNA抽出に進む。 続いて、Nanotracking解析によるエクソソーム粒子径、粒子数の解析、ならびにマイクロアレイによるmiRNA発現のスクリーニングを行う。 その後、コントロールと比較して発現量の変化がみられそうなターゲットに対し、Real-time PCR法を用いて発現解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
Nanotracking解析、マイクロアレイに係る支出が大きいが、当該年度は実施できなかったため。
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