2019 Fiscal Year Research-status Report
プラダーウィリー症候群の成人移行期における包括的な治療指針の構築
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19K17375
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
大戸 佑二 獨協医科大学, 医学部, 助教 (60448868)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プラダーウィリー症候群 / 成長ホルモン補充療法 / 性腺ホルモン補充療法 / トランジション / 甲状腺機能低下症 / 骨密度 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではプラダーウィリー症候群の成人移行期における包括的な治療指針の構築というテーマのもとプラダーウィリー症候群のトランジションを中心に研究を進めている。 プラダーウィリー症候群は様々な内分泌疾患の合併があり、成長ホルモン治療や性腺補充療法が主となる。成長ホルモン治療は低身長の改善のみならず、体組成改善に関しても大きく寄与していることがわかっているが、日本では低身長に対し成人身長に達した時点で治療終了となってしまうため、成人期に体組成増悪が顕著な患者が多々存在する。そのため実際成人期のプラダーウィリー症候群患者では成長ホルモン分泌能がどのようなものであるのか、成人期でも成長ホルモン治療が有効であるか否か検討が必要と考えている。またその治療方針の構築を目指している。 また、甲状腺機能低下症や中枢性副腎機能低下症の報告もあり、様々な合併症の検討を行っている。これまで我々はプラダーウィリー症候群の成長ホルモン分泌能や副腎機能に関して報告をしてきたが、甲状腺機能低下症に関する論文は日本ではなく、また報告もしてもなかった。そのため今回の研究を通じて、これまでの当院での甲状腺機能に関して負荷試験結果や成長ホルモン治療影響を再検討し、それを日本小児内分泌学会やInternational PWS organizationの国際学会で発表した。またその内容を論文化をすることができた。 今後、性腺ホルモン補充療法や成長ホルモン治療の影響、成人での管理などに関し研究を継続しておく方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では成長ホルモン治療終了後の体組成の影響や成長ホルモン分泌能を検討すること、また成人成長ホルモン分泌不全症として治療適応がどの程度あるのかを検討する予定であったが、成長ホルモン治療終了した患児で該当者がおらず検討不可能だった。 現在、性腺機能低下症の評価に関して、治療目的である骨密度の維持に関して検討を行っており、研究発表や論文の作成を行っている。また成人の合併症である糖尿病の報告を行っていく方針ではあるが、現段階で治療方針の構築には至っておらず今後の研究の継続が必要と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
プラダーウィリー症候群の内分泌学的合併症に対する治療として成長ホルモン補充療法、性腺ホルモン補充療法があり、今後トランジションに関しても重要な役割を占める。そのためこれらの治療の影響や目的を徹底させる必要があり、その一つとして性腺ホルモン補充療法の目的である骨密度検査に関して現在、検討中である。 また最大の合併症である糖尿病の日本での報告は少なく、当院での糖尿病の現状を報告、論文化する予定である。
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Causes of Carryover |
プラダーウィリー症候群のトランジションに関しての研究を進めるうえで、最大のテーマとなる成人の成長ホルモン治療および性腺ホルモン補充療法についての検討を行う予定であった。そのため実際、成長ホルモン分泌能や性腺機能についての再検討を行う方針であったが、該当患者がおらず検討が不可能であった。 プラダーウィリー症候群のその他の様々な合併症についての検討を同時進行で進めている。
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