2023 Fiscal Year Annual Research Report
プラダーウィリー症候群の成人移行期における包括的な治療指針の構築
Project/Area Number |
19K17375
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
大戸 佑二 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (60448868)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プラダー・ウィリ症候群 / 成長ホルモン補充療法 / 性腺ホルモン補充療法 / トランジション / 甲状腺機能低下症 / 骨密度 / 糖尿病 / 新生児 |
Outline of Annual Research Achievements |
プラダー・ウィリ症候群は、新生児期の筋緊張低下および哺乳障害、乳幼児期からの過食や肥満、精神運動発達遅滞、低身長、性腺機能不全などを特徴とする症候群であり、年齢とともに病像が大きく変化することが特徴の一つである。過食による肥満が顕著で、若年から糖尿病の合併もみられる。学童期になると執拗さ、頑固さ、こだわりや思い込みが強くなり、周囲とのトラブルが増える。行動症状は年齢とともに強くなることがあり、プラダー・ウィリ症候群の管理は新生児期、乳幼児期から学童期、成人期と継続し必要となるが、現在の日本では成人例も含め小児科での管理が大部分であり、トランジションが困難であることが問題となっている。そのため当研究ではプラダー・ウィリ症候群のトランジションを主な研究テーマとした。 今回の研究では日本人プラダー・ウィリ症候群の合併症を一つ一つ検討することでその対応法を示してきた。今回の研究での実績として甲状腺機能低下症の合併は少なく、成長ホルモン治療の影響を受けないこと (Am J Med Genet.2020)、成長ホルモン治療のみでは骨密度の維持は困難であり、性腺補充療法が重要であること (J Prdiatr Endocrinol Metab.2021)、糖尿病の合併は28.9%であり、発症年齢は18.0歳と早いこと (J Prdiatr Endocrinol Metab.2021)、低ナトリウム血症の合併が稀にあること (J Prdiatr Endocrinol Metab.2023)。またプラダー・ウィリ症候群の管理において重要なことは新生児期に正しく診断し、早期からの介入を行うことであり、日本人プラダー・ウィリ症候群の新生児期の検討を行った (Pediatr Int.2023)。 ※研究課題名は「プラダーウィリー症候群」と表記しておりますが、「プラダー・ウィリ症候群」で統一しております。
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