2019 Fiscal Year Research-status Report
Effects of probiotics on neonates after therapeutic hypothermia.
Project/Area Number |
19K17376
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
池田 奈帆 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (20773881)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 新生児 / 低酸素性虚血性脳症 / プロバイオティクス / 脂肪酸 / 脂肪酸代謝産物 / 新生児低体温療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在わが国では、中等度以上の低酸素性虚血性脳症(HIE; hypoxic ischemic encephalopathy)の新生児に対して死亡率及び神経学的予後を改善するというエビデンスのもと、新生児低体温療法(TH; therapeutic hypothermia)が普及してきている。THのプロトコールが標準化される一方で、経腸栄養管理について統一された指針はなく、経腸栄養開始の遅れなどの臨床経過が生体代謝や腸内細菌叢へ及ぼす影響が懸念される。 リノール酸(linoleic acid: LA)は必須脂肪酸の1つであり、新生児の成長や発達にとって重要な脂質栄養素である。新生児は出生後に急速な成長を伴うため大量の脂肪酸を必要とする。正常新生児において脂肪酸は母乳や人工乳から摂取される。近年LAの代謝産物oxidized LA metabolites(OXLAMs)が成人における慢性疾患の重症度や疾病の発症に関係していると報告されているが、周産期仮死やHIEがOXLAMsの動態に及ぼす影響ついての報告はない。経腸栄養確立までに時間を要し、酸素投与や投薬などを必要とするTH施行児は、LAが容易に酸化されるリスクがあり、疾病の発症や発達予後に関連する可能性が考えられる。 以上より、THを要する児の消化管消化不良はプロバイオティクスで改善するのではないかと仮説を立て、THを施行したHIE児におけるプロバイオティクス投与が及ぼす効果、及び急性期の経時的な脂肪酸代謝物のプロファイリングが神経細胞障害の病態解明や長期発達予後予測の指標となるかについて、臨床研究を計画した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
該当する症例が集まらず、サンプル採取の段階で課題が残った。 オーストラリアの研究室(SAHMRI)での脂肪酸代謝解析を予定しているが、世界的なコロナウイルスのパンデミックの影響で、渡豪計画が延期となり、今後の研究にも支障をきたす可能性が大いに考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
TH施行児を対象に出生時の臍帯血、出生時及びNICU入院中と退院後の便培養、末梢血、濾紙血を定期的に採取し、腸内細菌叢の解析、栄養評価および脂肪酸代謝解析を行う。経腸栄養full feedingまでの期間、体重・頭囲・身長の増加率、発達予後との関連について解析する。 上記研究に対し、引き続き検体採取に努めていく。 同時に倫理委員会の手続きを進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
検体採取の段階から研究が遅れているため、本年度の研究費の支出は来年度に持ち越しとなる額が大きかった。次年度以降も検体採取に努め、研究を進めていく。脂肪酸代謝プロファイリングはオーストラリアの研究機関で測定予定のため、運送費、委託費等に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)