2019 Fiscal Year Research-status Report
Immunological and genetic analysis of specific molecular expression involved in food allergy immune tolerance
Project/Area Number |
19K17377
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
馬場 洋介 順天堂大学, 医学部, 助教 (40647971)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | IL-33 / ST2 / 粘膜免疫 / alarmin |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は小児アレルギー疾患における好塩基球の役割を解明するべく、各疾患における末梢血細胞で抗原刺激による変化や、その濃度や時間による活性化の差異、さらには細胞内サイトカインなどの変化を検討した。 特に食物アレルギー、アレルギー性鼻炎に対する免疫療法の介入で好塩基球活性化の変化やその反応に関連するサイトカインや特異的抗体を解析した。 食物アレルギーでは、花粉関連食物アレルギー(PFAS: Pollen Food Allergy Syndrome)に注目し、原因食物の蛋白抽出を行い抗原刺激を行ったところ、時間依存的に活性化の変化が見られ、即時型反応以外にもIgE非依存性の好塩基球活性化機構が疑われた。果物などに分布する蛋白の中でも水溶性物質がIgEを介さないメカニズムで好塩基球を活性化する機序が疑われた。 またスギによる季節性アレルギー性鼻炎(SAR: Seasonal allergic rhinotis)患者に対し、舌下免疫療法(SLIT)を開始した患者の末梢血細胞や血清における変化を経時的に検討した。SAR患者ではスギ特異的IgE抗体の上昇はあるが、SLITによりスギコンポーネントであるCry j1特異的IgE抗体は上昇する患者と低下する患者がみられた。さらにCry j1特異的IgG4抗体と特異的IgA抗体を検討したところ、SLIT開始3か月で多くの症例でIgG4抗体とIgA抗体は上昇ており、飛散期でIgA抗体はやや低下を認めた。 鼻症状スコアはSLIT開始3か月以上している症例では改善しており、ある程度の効果がみられることが予想された。IgG4抗体の上昇に対しIgAの上昇が乏しい症例では、IL-33や受容体であるST2が上昇している傾向に見られた。細胞障害が強い状況下で粘膜免疫が活性化され、耐性獲得は誘導されにくい可能性を考察した。今後ST2のmRNA定量実験で機序を解明する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年の研究計画通り、FCMを中心とした実験系は予定通り行えた。研究室の共益費が潤沢であったため備品に予算を多く使用しなかったが、論文投稿までスムーズに行えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた結果から、細胞障害が強い状況下で粘膜免疫が活性化され、耐性獲得は誘導されにくい可能性を考察した。今後ST2のmRNA定量実験で機序を解明する。また、FCMで末梢血内のST2陽性細胞を疾患パネルで評価行い、特に減感作状態における粘膜免疫の役割を評価する。
|
Causes of Carryover |
実験研究室の共同研究費が余剰となっていたため、備品などの購入に個人研究費を使用する必要がなかった。また、COVID-19感染拡大の影響を受け、参加予定であった国際学会(AAAAI2020, USA)がキャンセルになったため参加費や渡航費が余剰となった。
|
-
-
-
-
-
[Presentation] 下気道感染症に合併した喘鳴の臨床像と、その後の乳幼児喘息発症に関する検討2019
Author(s)
馬場洋介, 宮林和紀, 山田啓迪, 米山俊之, 横倉友諒, 山崎晋, 寒竹正人, 清水俊明
Organizer
場洋介, 宮林和紀, 山田啓迪, 米山俊之, 横倉友諒, 山崎晋, 寒竹正人, 清水俊明下気道感染症に合併した喘鳴の臨床像と、その後の乳幼児喘息発症に関する検討、第56回日本小児アレルギー学会
-
-
-