2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of the fetal therapy using maternal adipose-derived stem cells
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19K17378
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
川嶋 章弘 昭和大学, 医学部, 講師 (10783376)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 胎児治療 / ダウン症 / 精神神経発達遅滞 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)胎児に移植した脂肪由来間葉系幹細胞が神経に分化していることを明らかにする。 グリーンマウスから抽出した脂肪由来間葉系幹細胞を投与した胎仔で、胎生 19 日の胎仔脳から緑色蛍光細胞をマイクロダイセクション法により投与細胞を回収することを試みた。しかし脂肪組織由来間葉系幹細胞の浮遊液(5x10^5 cell/2 uL)を投与することでは生着量に著しい個体差が生まれ回収が困難であった。そのためパパイン処理により胎仔脳を分散処理することで緑色蛍光細胞の回収が可能となった。現在、回収された細胞群で遺伝子発現解析を施行中である。 (2)同系移植と比較して母親の脂肪由来間葉系幹細胞が移植免疫反応を抑制されることを明らかにする。 母親の移植細胞に対する免疫応答について細胞投与後の血中炎症サイトカインの変化の確認を行った。しかし浮遊細胞による投与方法では細胞浮遊液の液量による脳室内圧上昇からダウン症モデルマウスにおいては生仔を得る率が明らかに低くなることが判明した。そのため生存率を高める方法として抽出された間葉系幹細胞よりニューロスフィアを形成した後に投与することで投与細胞量を増加させ、投与液量を減量することで対処を図ることとした。前年度までの研究により脂肪組織由来間葉系幹細胞から誘導することでニューロスフィアを形成することはすでに確認している。現在、野生型マウスにおいて脂肪組織由来間葉系幹細胞から誘導されたニューロスフィアを胎仔脳室内に投与し、in vivoにおける神経分化の確認を行っている。1 uLの投与液量で胎生14日のマウス胎仔の脳室内に投与することで良好に生児が得られ、投与後週間後の生着も確認された。今後ニューロスフィアの長期間の生着および神経分化が確認された後に、ダウン症モデルマウスの胎仔に対しての移植実験を行う計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
胎生14日ダウン症モデルマウスの頭部形成が野生型マウスと比較して小さかったため、野生型マウスに対する細胞浮遊液の投与量では生仔を得られる率が低いことが昨年度までに判明した。このことから投与方法の検討を行う必要があった。検討された投与方法としてニューロスフィアを脂肪組織由来間葉系幹細胞から誘導後により少量の液量で投与を行う方法である。すでにニューロスフィアの誘導には成功しており、野生型マウスに対して投与後2週間までのスフィアの生着および脳実質内の増生を確認している。また投与液量を減少させることで野生型マウスにおいても生児獲得率の向上につながった。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪組織由来間葉系幹細胞から誘導されたニューロスフィアを用いて、胎児脳室内において長期間の生着および神経分化の確認を行っている。神経分化の確認ができ、投与方法を再度確立した後にダウン症モデルマウスの胎仔に対しての移植実験を行う計画である。
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