2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of methodology detecting immunoglobulin related fusion genes in pediatric leukemia
Project/Area Number |
19K17384
|
Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
渡部 悟 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児血液・腫瘍研究部, 研究員 (00829418)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 小児急性白血病 / 免疫グロブリン / 遺伝子再構成 / 遺伝子異常 / 次世代シークエンス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児急性リンパ性白血病(ALL)に対する次世代シーケンス解析等の結果、白血病の発症に関わる遺伝子異常として、DUX4-IGHやIGH-CRLF2等の免疫グロブリン関連の融合遺伝子がB前駆細胞型ALLの5-10%で同定され、新規の予後因子候補と期待されているが、実臨床での検出方法は未だに確立されていない。また、ALLの20%前後で白血病発症に関わる遺伝子異常が同定されておらず、新規検出法の開発が求められている。本研究では免疫グロブリン領域を標的としたRNA target capture sequencing法を行うことで、より高度な融合遺伝子の検出方法を確立するとともに、新規融合遺伝子を同定する。さらに、予後情報と統合的に解析し、治療標的となる遺伝子異常の検索や治療の層別化に利用することで予後の向上に役立てることを目的としている。 令和元年度は免疫グロブリンの全RNA翻訳領域を標的としたprobeパネルの設計を行った。更に既存の解析方法であるG分染法、全RNA sequencing法、FISH法により、既知の免疫グロブリン関連融合遺伝子が検出された14例について、設計したパネルを用いたRNA target capture sequencing解析を行ったが、全症例で予測された既知の免疫グロブリン関連融合遺伝子を検出できなかった。原因として、免疫グロブリンの一部の領域が解析できていなかったことと解析を使用したRNAの品質が十分でなかったことが推測された。 次年度は免疫グロブリン領域のprobeパネルを再設計するとともに、解析に使用するRNAの品質に応じたライブラリー調整法の検討を行う。再度、既知免疫グロブリン関連融合遺伝子の検出を試みるとともに、既存の検査法から免疫グロブリン関連融合遺伝子が疑われる20症例について解析を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度は免疫グロブリンの全RNA翻訳領域を標的としたprobeパネルの設計を行った。次に既存の解析方法であるG分染法、全RNA sequencing法、FISH法により、既知の免疫グロブリン関連融合遺伝子が検出された14例について、設計したパネルを用いたRNA target capture sequencing解析を行ったが、全症例において予測された既知の免疫グロブリン関連融合遺伝子を検出ができなかった。原因を精査すると、設計したprobeパネルでは、一部の免疫グロブリン翻訳領域が読めないこと、解析したRNAの品質が十分でなかったことが原因として推測された。そのためprobeパネルの再設計が必要となり、令和元年の研究期間に予定していたに既存の解析方法で免疫グロブリン関連融合遺伝子が疑われる症例について、解析を行うことができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度の解析においてRNA target capture sequencing法を行うにあたり検体RNAの品質が極めて重要であることが明らかとなった。このことから、新規の検査法として使用していくためにどの程度RNAの品質であれば検出が可能なのか、あるいは解析に使用するRNAの品質に応じたライブラリー調整法の検討を行う。また検出感度を向上させるため、パネルの再設計を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
【理由】期間中にパネルの再設計を行ったため令和元年度に予定していた症例数の解析を行うことができなかったため。 【令和2年度分として請求した助成金と合わせた使用計画】令和2年度に解析を予定している既存の解析法で免疫グロブリン関連融合遺伝子が疑われる症例に加えて、令和元年度に行う予定だった症例を合わせて20症例程度を対象にしてRNA target capture sequencing解析法を用いた網羅的ゲノム解析を行う予定である。
|