2022 Fiscal Year Research-status Report
腸内環境からNAFLD、NASH進展への解明:メタゲノム解析とメタボローム解析
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19K17387
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
飯野 勢 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (90814343)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | NAFLD / NASH / 腸内細菌叢 / エクオール / Lean NAFLD |
Outline of Annual Research Achievements |
NAFLDとエクオールに関して研究をすすめた。エクオールはエストロゲン作用によりメタボリックシンドロームに対して防護的に働く可能性が報告されている。本研究において、肥満型のNAFLDとは代謝機序が異なるやせ型のLean NAFLDの男性においてエクオールの産生者が極めて少ないことが判明した。腸内細菌叢でもSlackiaが有意に減少していることが確認された。やせ型のNAFLDはエクオール産生能が発症に関わっていると考えられ、エクオールを摂取することで、脂肪肝の発症や改善が認められる可能性がある。 代謝異常を組み入れ基準とした脂肪肝の新診断基準であるmetabolic dysfunction-associated fatty liver disease(MAFLD)が提唱された。また、FibroScanの測定値を用いて非侵襲的に肝線維化を評価するFibroScan-AST(FAST)scoreの有用性が示されている。脂肪肝症例のうちMAFLDとNAFLDの診断基準を満たすものを抽出し、FAST scorer≧0.35を線維化陽性として評価を行った。また、そのリスク因子をロジスティック回帰分析で検討した。肝線維化は36例に認め、その中でMAFLDは29例(80.6%)、NAFLDは23例(63.9%)であり、MAFLDの方がより高率に肝線維化をとらえられた。肝線維化における多変量解析では独立因子としてobesity(OR 7.24、95%CI 2.43-21.6、p値<0.05)とmetabolic dysregulation(OR 3.19、95%CI 1.06-9.59、p値 <0.05)が抽出された。NAFLDよりMAFLDの方が肝線維化を高率でとらえられた。また、肝線維化にはobesityとmetabolic dysregulationが強く関連していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NAFLDとエクオールと腸内細菌叢の関係について学会発表、論文化を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の、NAFLDと腸内細菌叢、線維化の進展に関わる因子について研究をすすめていく。
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Causes of Carryover |
コロナ渦の中、学会発表が遅れてしまい、次年度に継続となった。令和5年度は学会発表及び論文作成により研究を進める予定である。
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Research Products
(2 results)