2021 Fiscal Year Research-status Report
クローン病の胆汁腸肝循環動態とFXR/FGF19の機能解析
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19K17390
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齊藤 景子 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30836416)
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Project Period (FY) |
2020-02-01 – 2023-03-31
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Keywords | クローン病 / シネMRI / 胆汁酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、シネMRIを用いて腸管蠕動の評価を行う患者の抽出と検査実施を進めている。クローン病自体の病変部の確認(腸管病変の範囲、活動性、痔瘻など瘻孔)、狭窄部位の同定と程度の評価、腸液の流動異常や腸液通過時間、腸液滞留の有無などの評価を行っている。しかし、画像の特性上、過去の報告でも主にvisual評価となり、客観的な評価尺度の設定が難しい。腸液流動異常と腸液滞留の評価基準の確立、つまりどのように定義、評価するべきかの検討のために症例の集積を行っている。 現在集積した症例で最も腸液滞留の目立つ部位が拡張術のメインターゲットであることが確認され、治療戦略を検討する上で有用であった。また、2例は内視鏡や小腸造影検査では高度狭窄が疑われ、自覚症状も認めたが、シネMRIで狭窄前拡張も腸液貯留も認めなかった。いずれも入院にてバルーン拡張を試みたが、線維制狭窄ではなく、屈曲や浮腫などが主体でバルーン拡張は不要であった。このことより、シネMRIで事前に評価することで不要な入院を避けられる可能性があり、若年者が多いクローン病診療においてメリットとなると考えている。さらに症例を集積していく。 シネMRIの結果で判明した腸管蠕動障害、腸液流動異常、腸液の滞留による差異も含めて患者の血液および便中の胆汁酸プロファイル分析を行っていく。その結果で得られた、特定の胆汁酸コンビネーションの違いによってマウスの腸管組織変化、肝臓内および血液、便中の胆汁酸の変化とクローン病病状との関連が明らかとなる可能性を予測している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ窩のため、内視鏡検査やMRIの延期・件数制限があり、症例数の蓄積が遅れているため。そのため、胆汁酸分析に必要な症例数に達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きシネMRIでの検査と評価法の確立に務める。 患者の血液中・便中の胆汁酸プロファイルを行い、解析を進める。
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Causes of Carryover |
研究が遅れ、検体採取、測定が計画より遅れているため。 翌年度は検体採取、胆汁酸分析を進めていく予定である。
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