2019 Fiscal Year Research-status Report
Connectivity Map解析に基づいた新しい膵癌予防薬の開発
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19K17400
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
藤野 泰輝 徳島大学, 病院, 特任助教 (60747442)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Connectivity Map |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、これまで種々の培養細胞を用いて既存の約1300種類の薬剤のヒト全ゲノム遺伝子発現に及ぼす効果を調べたConnectivity Mapを利用し、各疾患の遺伝子発現プロファイル(シグネチャー)から疾患に有効な薬剤を抽出する研究を行なってきた。現在、内視鏡下に生検採取もしくは手術により摘出した膵臓前癌病変(IPMN)の遺伝子発現プロファイルを作成し、Connectivity Mapを用いて前癌病変に有効な候補予防薬剤を抽出している。さらに、IPMN、膵癌、正常膵臓組織の生検もしくは手術により採取した組織よりオルガノイド培養を行い、予防候補薬の効果をin vitroで検証(スクリーニング)するとともに、オルガノイドの同所移植モデルを用いてin vivoの有効性を確認している。さらに、膵臓化学発癌動物モデルや膵臓自然発癌モデルマウスを用いて膵臓腫瘍(癌)に対する予防効果を検証し、臨床試験に向けた新しい膵臓癌予防薬の研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者は、これまで種々の培養細胞を用いて既存の約1300種類の薬剤のヒト全ゲノム遺伝子発現に及ぼす効果を調べたConnectivity Mapを利用し、各疾患の遺伝子発現プロファイル(シグネチャー)から疾患に有効な薬剤を抽出する研究を行なってきた。本研究では、まず内視鏡下に生検採取もしくは手術により摘出した膵臓前癌病変(IPMN)の遺伝子発現プロファイルを作成し、Connectivity Mapを用いて前癌病変に有効な候補予防薬剤を抽出している。次いで、IPMN、膵癌、正常膵臓組織の生検もしくは手術により採取した組織よりオルガノイド培養を行い、予防候補薬の効果をin vitroで検証(スクリーニング)している。よって当初の実施計画と比べておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに多くのIPMN、膵癌、正常膵臓組織の生検もしくは手術により採取した組織よりオルガノイド培養を行い、予防候補薬の効果をin vitroで検証(スクリーニング)する。オルガノイドの同所移植モデル、膵癌の化学発癌動物モデル及び自然発癌モデル(膵特異的に変異K-rasおよび変異p53を発現させた遺伝子改変マウス、KPCマウス)を用いてその有効性を確認する。さらに、各種オルガノイドや動物モデルを用いて、これらの予防候補薬の抗腫瘍活性の機序を明らかにし、臨床試験に向けた基盤研究を行う。
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Causes of Carryover |
予定していた学会参加を取りやめたこと、また、3月中に物品の納品が完了したが支払が4月となったため次年度使用額が生じた。研究計画に変更は生じないため、次年度以降も計画に従って研究を実施する予定である。
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