2019 Fiscal Year Research-status Report
肝硬変、NASH発症・進展に果たす造血細胞の関与の解明と新たな治療標的の確立
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19K17404
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
大園 芳範 宮崎大学, 医学部, 医員 (20839394)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | fibrocyte / clodronate liposome / CD11b-DTR / TET2 |
Outline of Annual Research Achievements |
テーマ①肝線維化におけるfibrocyteの寄与の検討 Clodronate liposome (CL) 静注およびCD11bのプロモーター下にdiphtheria toxin receptor (DTR)を発現するCD11b-DTRマウスへのDT投与による単球除去系を確立した。また、野生型マウスに四塩化炭素 (CCl4: carbon tetrachloride) 投与、あるいはコリン欠乏高脂肪食飼料 (CDAHFD: choline-deficient, L-amino acid-defined, high-fat diet) の給餌により肝線維化モデルが作成できることを確認した。 CCl4投与マウスにCLを併用投与したところCL非投与群と比較して肝臓中のfibrocyteは減少したが、肝線維化の進展は抑制されなかった。CCl4により誘導された肝線維化モデルにおいては肝線維化におけるfibrocyteの寄与は小さいと考えられた。この成果を論文にして発表した。
テーマ②TET2 KOマウスによる血液細胞の機能解析 TET2 KOマウスの骨髄を野生型マウスに移植し、移植後からCDAHFDを給餌し、12週後に解剖して肝臓の病理標本を作製した。HE染色で脂肪肝および炎症細胞浸潤、Azan染色で肝線維化が確認されたが、野生型マウスの骨髄を移植したコントロール群と比較して、脂肪肝および肝線維化の程度には差がみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
テーマ①肝線維化におけるfibrocyteの寄与の検討 単球除去系と肝線維化モデル作成が確立できた。CCl4投与マウスにCLを併用投与した。四塩化炭素による肝線維化モデルでは肝線維化進展におけるfibrocyteの寄与は小さいことを示し、その成果を論文化した。
テーマ②TET2 KOマウスによる血液細胞の機能解析 TET2 KOマウスの骨髄を野生型マウスに移植し、移植後からCDAHFDを給餌し、野生型マウスの骨髄を移植したコントロール群と比較した。造血細胞におけるTET2欠損は、脂肪肝および肝線維化の程度に影響を与えないことを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
テーマ①肝線維化におけるfibrocyteの寄与の検討 CD11b-DTRマウスの骨髄を移植した野生型マウスにCDAHFDを給餌して非アルコール性脂肪肝炎モデルマウスを作成し、DTを投与することで肝臓中のfibrocyteが減少するか、また脂肪肝や肝線維化の進展が抑制できるかを比較検討する予定である。
テーマ②TET2 KOマウスによる血液細胞の機能解析 TET2 KOマウスの骨髄を移植したマウスと、野生型マウスの骨髄を移植したマウスの間で脂肪肝および肝線維化の程度に差異が認められなかったため、本テーマは終了とする。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Monocyte-derived Fibrocytes Elimination Had Little Contribution on Liver Fibrosis2019
Author(s)
Yoshinori Ozono, Kotaro Shide, Fumiyo Toyoshima, Yuuka Takaishi, Mai Tsuchimochi, Ayako Kamiunten, Takuro Kameda, Kenichi Nakamura, Tadashi Miike, Kazunori Kusumoto, Hisayoshi Iwakiri, Satoru Hasuike, Kenji Nagata, Akira Sawaguchi, Kazuya Shimoda
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Journal Title
Hepatobiliary & Pancreatic Diseases International
Volume: 18
Pages: 348-353
DOI
Peer Reviewed
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