2021 Fiscal Year Annual Research Report
肝硬変、NASH発症・進展に果たす造血細胞の関与の解明と新たな治療標的の確立
Project/Area Number |
19K17404
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
大園 芳範 宮崎大学, 医学部, 助教 (20839394)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | NASH / fibroycyte / CDAHFD / clodronate liposome / CD11b-DTR / TET2 |
Outline of Annual Research Achievements |
テーマ① 野生型マウスに四塩化炭素 (CCl4: carbon tetrachloride) を4週間以上投与することで、肝線維化モデルが作成できることを確認した。CCl4投与マウスにClodronate liposome (CL)を併用投与して選択的に末梢血中の単球を除去したとところ、CL非投与群と比較して肝臓中のfibrocyteは減少したが、肝線維化の進展は抑制されなかった。CCl4により誘導された肝線維化モデルにおいては肝線維化におけるfibrocyteの寄与は小さいと考えられた。次いで、野生型マウスにコリン欠乏高脂肪食飼料 (CDAHFD: choline-deficient, L-amino acid-defined, high-fat diet) を8週間あるいは12週間給餌させ、解剖して肝臓を取り出し、病理標本を作製した。8週間給餌群と比較して12週間給餌群のマウスの肝臓ではHE染色における脂肪沈着および炎症細胞浸潤、Azan染色における肝線維化の程度が大きく、CDAHFD の12週間給餌により非アルコール性脂肪肝炎 (NASH: non-alcoholic steatohepatitis) 肝硬変モデルができることが明らかになった。
テーマ② TET2 KOマウスの骨髄を野生型マウスに移植し、移植後からCDAHFDを給餌し、12週後に解剖して肝臓の病理標本を作製した。HE染色で脂肪肝および炎症細胞浸潤、Azan染色で肝線維化が確認されたが、野生型マウスの骨髄を移植したコントロール群のマウスの肝臓と比較して、脂肪肝および肝線維化の程度には差がみられなかったため、本テーマを終了とした。
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