2019 Fiscal Year Research-status Report
複雑微小環境クロストークからみた肥満による膵癌進展メカニズムの紐解き
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19K17407
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山田 瑠里子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 臨床研究医 (60835164)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膵癌 / 肥満 / 内臓脂肪 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満が膵癌進展へ及ぼす影響をみるために、通常食で飼育した非肥満マウスと、高脂肪食で飼育した肥満マウスのそれぞれの内臓脂肪組織を抽出し、そこから脂肪前駆細胞の初代培養を行った。次に、初代培養を行った各々の脂肪前駆細胞を脂肪滴を含む成熟脂肪細胞へと分化誘導し、非肥満内臓脂肪細胞(L-Ad)および肥満関連内臓脂肪細胞(O-Ad)を樹立した。 L-Ad・O-Adの各脂肪細胞とマウス膵癌細胞・ヒト膵癌細胞とを共培養を行ったところ、マウス・ヒト膵癌細胞のいずれも、L-Adと比較しO-Adとの共培養により、細胞増殖・浸潤能の有意な増加をみとめた。 さらに、L-AdまたはO-Adとの共培養により刺激された後の膵癌細胞を、血管血管内皮細胞と共培養し、in vitroの血管新生 assayを行った。細胞増殖・浸潤能の結果と同様に、O-Ad刺激後の膵癌細胞は、L-Ad刺激後の膵癌細胞と比べ、有意に血管内皮細胞の運動能とチューブ形成能の上昇に寄与し、腫瘍血管新生を促進した。 次に、O-Adが膵癌細胞を活性化するメカニズムを明らかするために、L-AdとO-Adの培養液中に含まれる分泌タンパク発現の違いを、プロテインアレイによる準網羅的解析により検討した。その結果、L-Adと比較し、O-Adの培養液中で著明に上昇する分泌タンパクを複数個同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では昨年度中に、細胞レベルでのメカニズムの解析まで終了している予定であっため、予定よりやや遅れている。研究結果は順調であるが、幼児の育児をしながらの研究であり、急遽研究ができなくなるなどのことがあり、予定よりわずかに遅延した。
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Strategy for Future Research Activity |
予定より軽度の遅れはあるものの、研究計画に従い大変順調に進捗している。プロテインアレイで同定した、O-Adの培養液中に有意に多く含まれている分泌タンパクをそれぞれsiRNAでノックダウンし、O-Adが膵癌細胞を活性化させるメインとなる原因タンパクを解明している。 ノックダウン実験が終了した後、速やかに動物実験にはいる予定である。通常食で飼育した非肥満マウスと、高脂肪食で飼育した肥満マウスに膵癌細胞を移植した後、上記で同定した原因タンパクの抗体を注射し、膵癌の進展を観察する。またヒト膵癌組織検体も使用し、肥満の有無と原因タンパク発現の関連性を検討する。
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Causes of Carryover |
研究が予定より軽度遅延し、令和1年度に予定していた膵癌細胞を用いた基礎実験によるメカニズム解析がまだ終了していない 令和2年度は、同定された複数の責任タンパク候補のsiRNAを行い、肥満脂肪細胞が膵癌を活性化するメカニズムを同定する。さらに、予定の動物実験およびヒトの検体解析を行う。
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