2020 Fiscal Year Research-status Report
三次元培養モデルを用いた膵癌細胞と脂肪組織の相互作用の解明
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19K17436
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
芥川 剛至 佐賀大学, 医学部, 医員 (40839057)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脂肪組織 / 膵癌細胞株 / インターフェロン / IRF9 / STAT pathway / gemcitabine |
Outline of Annual Research Achievements |
RNA micro arrayを用いて、膵癌細胞株が脂肪組織により影響される変化を網羅的に解析した。脂肪組織と共培養した膵癌細胞株において、Interferon Alpha Inducible Protein (IFI)、C-X-C motif chemokine (CXCL)、interferon regulatory factor(IRF)のmRNA発現増加が見られた。Western blot analysisで、上記タンパク発現を解析したところ、脂肪組織と共培養した群において、IRF9のタンパク発現増強が見られた。さらに、IRF9が関与するsignal pathwayに着目し、IRF9/STAT pathwayの解析を行った。STAT1、STAT2、STAT3のタンパク発現が増加していた。 また、抗癌剤感受性の変化についても評価を行った。Gemcitabineを投与すると、脂肪組織と共培養した群では、抗癌剤に対する抵抗性が惹起された。Gemcitabine抵抗性を惹起する因子を解析するため、siRNAを用いたknockdown実験を行った。IRF9をknockdownし、細胞増殖能の変化や薬剤感受性の変化を解析した。IRF9 knockdown群では、薬剤抵抗性が減弱しており、IRF9およびそれに関連する因子が薬剤抵抗性を惹起している可能性が示唆された。 今後はIRF9に着目した実験を遂行していく予定である。またIRF9が、膵癌治療の新規ターゲットとなるか、解析・検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
siRNAを用いた実験系で、計画の変更があったため、予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
IRF9周辺のタンパク解析を行う。 IRF9が、膵癌治療の新規ターゲットとなるか、解析・検討を行う。
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Causes of Carryover |
当初予定2021年に予定していた研究計画に加え、追加実験を行うための予算に配分するため、差額が生じた。
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