2019 Fiscal Year Research-status Report
Effect of SGLT2 inhibitor for hepatocellular carcinoma
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19K17446
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
中野 暖 久留米大学, 医学部, 助教 (40723987)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肝臓癌 / SGLT2 / SGLT2阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝癌細胞株(HepG2, Huh-7, Hep3B, HLF)におけるSGLTの蛋白発現をwestern blottingおよび免疫染色にて確認した。また、肝癌細胞株内のSGLTのmRNAもRT-PCRを用いて確認することが出来、肝癌細胞株にはSGLT2が発現していることが確認できた。さらに、Panc1やBxpc3といった膵癌細胞株でもSGLT2蛋白が発現していることをwestern blottingで確認できた。肝癌細胞株のミトコンドリアとSGLT2の免疫二重染色およびミトコンドリア分画を用いてSGLT2の局在を確認したところ、SGLT2はミトコンドリア内に局在していることが明らかとなった。 肝細胞株にSGLT2阻害剤(canagliflozin:10μM)を投与した群(n=5)とコントロール群(n=5)で細胞増殖を比較したところ、SGLT2阻害剤投与群で有意差をもって細胞増殖が抑制されることが確認された。 フローサイトメトリ-を用いた実験ではapoptosisを確認したが、肝細胞株にSGLT2阻害剤を投与した群ではコントロール群と比較してapoptosisを起こした肝癌細胞株の割合が変わらなかった。このためSGLT2阻害剤による肝癌細胞の増殖抑制は、apoptosis誘導による癌増殖抑制ではないことが確認された。 今後、細胞増殖の抑制の原因となる代謝変化等の解明により、SGLT2阻害剤投与による肝癌細胞株の増殖抑制機序を解明が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝癌細胞株のSGLT2の発現および局在の確認、SGLT2阻害剤を用いた肝癌細胞株の増殖抑制を確認した後、肝癌細胞株ではSGLT2阻害剤による肝癌細胞株の増殖抑制効果が、apoptosis確認するによる細胞死が原因ではない可能性があることを確認することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
メタボローム解析のデータを用いた多角的な変化の確認により、SGLT2阻害剤の肝癌細胞に対する細胞増殖抑制効果にはapoptosisによる細胞死以外の原因があることが示唆された。このため、細胞増殖の抑制を起こしている原因を突き止める必要性がある。 また、マウスモデルを使ったSGLT2阻害剤による肝細胞癌の増殖抑制を確認する。
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Causes of Carryover |
Hep3B細胞を用いてSGLT2阻害剤投与群とコントロール群のメタボローム解析をおこなうことにより、SGLT2が肝がん細胞の代謝におよぼす影響を網羅的に解析する。また、代謝変化に則してさらに詳細な細胞増殖抑制の原因経路の同定を行っていく。
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