2020 Fiscal Year Research-status Report
胆道癌浸潤病巣における線維性間質の病態と、抗線維化治療への展開
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19K17449
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
羽賀 敏博 帝京大学, 医学部, 助教 (80771625)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 胆道癌 / 微小環境 / 初期浸潤病巣 / 時計遺伝子 / 概日リズム / 線維性間質 / 早期癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
時計遺伝子DEC1とDEC2は全身のあらゆる臓器で発現しており、日内リズム、免疫や癌化、低酸素応答、アポトーシス、組織分化の制御など多彩な制御機構を持つ。胆道癌初期浸潤病巣における微小環境形成は、これら時計遺伝子機能が基盤として形成されることを証明するため、時計遺伝子発現における癌微小環境の解明を試みている。 2019年度は、ヒト胆道癌細胞株における時計遺伝子との関係を検討することにより、時計遺伝子の意義を一部明らかにすることができたものの、外科切除標本を用いて実際に病理所見と符合するかの検証 (例えば、免疫組織化学染色でタンパク質の発現の有無や腫瘍における遺伝子解析)が十分できておらず、再検を要する項目が認められた。 2020年度は、実験環境が大きく変化したため早期胆道癌の外科切除材料を中心に検討を開始していた。研究機関が変わったことに伴い、既往標本の再評価および適切な検体の抽出を行う作業で予想以上に時間を割かざるを得なかった状況である。少量ながら免疫組織化学染色を併用し早期病変周囲での線維化・CAFの発現、標的タンパクの発現の有無を検討し始めている。今後は、in vitro さらには in vivo の実験へ発展させていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究環境が変わり、既存の研究データや細胞株の引き継ぎが困難となった。 これまでの研究で分かりつつあることを、新たな環境下で再検すべく研究環境を整えていた為遅延している。これまで行ってきた培養系からのアプローチを一部変更し、外科切除材料からのアプローチをまず行い、最終的に両者を統合して検討しようと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
外科切除材料を用いて免疫組織化学染色を検討し、必要に応じ遺伝子解析を加える。細胞培養を用い、遺伝子発現やタンパク質発現を確認する。
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Causes of Carryover |
2020年度は、研究機関の異動に伴い実験環境が変わった。 細胞培養などの実験を一時中断し、外科切除材料および臨床データを用いたアプローチでの研究を行っており、経費の抑制ができた。 2021年度は、抽出した外科切除標本の代表切片で免疫組織化学染色や遺伝子解析を多く行う予定である。一旦中断していた細胞培養での実験を再開し検討する予定である。
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Research Products
(2 results)