2020 Fiscal Year Research-status Report
食道バレット腺癌の遺伝子的、及び機能的側面から見た病態解析
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19K17451
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
沖元 謙一郎 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30770739)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | バレット食道腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
下記のような概要で研究を進めた。 【概要方法】2017年4月~2020年4月までに当院で上部消化管内視鏡を施行しBEと診断された24症例24病変[SSBE群12症例12病変,Long segment BE(LSBE)群12症例12病変],及び内視鏡治療を行ったEAC群9症例11病変(EMRC3例,ESD8例),計33症例35病変を対象とした.EACは治療後のFFPE検体からLaser micro dissectionにより癌部のみを切り出した. 各検体からDNAを抽出後,in houseで作成した食道癌panel (69遺伝子)を用いて次世代シークエンス解析を施行し,体細胞変異を同定した.【結果】患者背景[性別(M:F),年齢(median, range)]は,SSBE/LSBE/EACでそれぞれ7:5/10:2/8:1,62 (52-78)/ 65 (48-80)/ 69 (58-87)であり,バレット粘膜長(cm)は1 (1-2)/ 5 (3-17)/ 1.5 (1-4)であった. EACではTP53が最も頻度の高いputative driverであり8病変72.7%で認められた.TP53のputative driverはSSBE群の2例[coverage/allele frequency(%)はそれぞれ234/ 41.9,147/ 3.4]でも認められたが,LSBEでは1例も認められなかった.【結論】TP53のputative driverがSSBE2例(16.7%)においても認められた.内視鏡による通常観察で異型を疑わないSSBEも発癌ポテンシャルを有する可能性が示唆され,慎重な経過観察を要する必要があると思われた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りSSBE、LSBEかバレット食道腺癌に至るまでの変異プロファイルを同定した。進行バレット食道腺癌に対しては検体がなかなか収集できておらず今後の解析予定としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績に示した内容で論文投稿中である。今後は食道運動機能異常との関連の評価を進める。食道運動機能異常を示した群からのSSBE,LSBEなどの拾い上げや進行癌を含めた解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
使用する薬剤が予定より安価であった。コロナ下で学会活動に伴う旅費が生じなかった。
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Research Products
(2 results)