2019 Fiscal Year Research-status Report
自己免疫性膵炎の発症病態や制御機構に関わるIL-35の働き
Project/Area Number |
19K17476
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
田中 敏宏 関西医科大学, 医学部, 講師 (70548700)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | IL-35 / 制御性T細胞 / 自己免疫性膵炎 / IL-29 |
Outline of Annual Research Achievements |
自己免疫性膵炎患者の血漿・慢性膵炎患者血漿・健常者の血漿を用いて、サイトカインの網羅解析を行い、IL-35、IL-29が自己免疫性膵炎患者において、優位に上昇していることを確認している。以前に当研究室にてCD4リンパ球内のnaive制御性T細胞の減少と、effector制御性T細胞の増加を報告している。またこれまでの報告にて、IL-35は制御性T細胞から出される報告もある。再度患者血球にてeffector制御性T細胞が優位に増加していることを確認し、自己免疫性膵炎の制御に制御性T細胞の増減とそこからのIL-35発言が関与しているのではないかと考えた。 末梢血にてIL-35の関与が示唆された為、自己免疫性膵炎患者の膵組織においても発現の増加があるのかを確認するために、IL-35のサブユニットである IL-12p35とEBi3の免疫染色及び二重染色を行い、慢性膵炎患者組織に対して影響を与えているのかを検討した。慢性膵炎患者組織と比較して優位にIL-35サブユニットの二重染色陽性細胞数が多い結果であった。又膵組織内における制御性T細胞のマーカーであるFoxp3陽性細胞とIL-35陽性細胞との三重染色における陽性細胞も確認している。 ここまでで、末梢血中のeffector制御性T細胞の増加と、自己免疫性膵炎病変自体においてと両方で、IL-35の関与が確認された。 今後effector制御性T細胞の増加とI L-35の発現量等が関与するのかを検討するため、制御性T細胞の分画を採取して、その分画間でのIL-35に関わる遺伝子発言の差異の解析を行う方針としている。 また動物実験に関係するマウスやリコンビナントのIL-35など購入の段取りを行う方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
免疫染色の結果、IL-35サブユニットの二重染色も良好であり、自己免疫性膵炎患者組織と慢性膵炎組織との比較においても、有意な差が確認できた。 このことで仮説が前に進み、その詳細を確認するための実験へと進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
今後effector制御性T細胞の増加とI L-35の発現量等が関与するのかを検討するため、制御性T細胞の分画を採取して、そのIL-35に関わる遺伝子発言解析を行う方針としている。 検体をなるべく多い検体数とすることで、評価を確実なものとしたい。 また動物実験に関係するマウスやリコンビナントのIL-35など購入の段取りを行う方針である。 dataがまとまり次第で、論文投稿も検討している。
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Causes of Carryover |
自己免疫性膵炎患者の末梢血から得られる制御性T細胞の遺伝子発現解析を進めるにあたり、RNA抽出キットやcDNA作成キット、real time PCRの試薬等が必要になること、また、今後IL-35の治療薬の効果について、マウス実験にあたる必要物品の準備を行う。
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