2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K17493
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
二宮 悠樹 広島大学, 病院(医), 医科診療医 (40838736)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PCCRC / missed cancer / dMMR / PIK3CA |
Outline of Annual Research Achievements |
当院で内視鏡にて診断された大腸癌1765例について、過去5年以内に当院で内視鏡検査をしておりnegative colonoscopyであることが確認されたにもかかわらず、大腸がんが発見された症例をpost-colonoscopy colorectal cancer (PCCRC)としたところ34例がみとめられた。Tis, T1, T2以深癌におけるPCCRCの割合はそれぞれ1.9%, 2.2%, 2.1%であった。34例中33例についてミスマッチ修復遺伝子MLH1, MLH2, PMS1, PMS2の4つのタンパクについて免疫染色を行ったところ、7例(21%)がdMMRであった。また十分な質のDNAが取得された23症例について約80の癌関連遺伝子についてdeep sequencingを行ったところ、BRAFとKRASの変異を3例(15%)、11例(55%)に認めた。深達度別の検討を行ったところ、T2以深癌8例中6例が近位結腸癌であり4例がdMMRであった。2例はdMMRでBRAF V600Eの変異があり、これらの症例は予後不良であった。またT2以深癌でシークエンスを行った6例中5例にPIK3CAの変異を認めた。PCCRCのTis癌28例中17例が、肉眼型は表面型で、これは24ヶ月以内に発見された癌であり見落とし癌と考えられた。以上から考えて、PCCRCは半数は見落とし癌であり、急速進行癌と考えられるT2以深癌ではdMMRのBRAF V600Eの変異を持った腫瘍もしくはPIK3CAの変異を持つ腫瘍であったことから、大腸癌の進展にはPIK3CAなどのWNTシグナル以外のpathwayの変異の獲得重要であること。BRAF変異を持つdMMR症例は悪性度の高い癌であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究結果で概ね良好な結果が得られてたため、研究結果をまとめて現在投稿までおこなっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの研究結果をまとめて、論文化している。今後、投稿予定であり、査読者からの指摘を元に追加実験を行う。
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