2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K17493
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
二宮 悠樹 広島大学, 病院(医), 医科診療医 (40838736)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PCCRC / 癌ゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
post-colonoscopy colorectal cancer (PCCRC)は大腸癌治療後のサーベンランス大腸内視鏡検査間に発見される癌で, ”見落とし癌”に加えて, “急速進行癌”も含まれるが,その鑑別は内視鏡的に困難なことが多い。本研究では,PCCRCの臨床病理学的および遺伝学的特徴を解析し,PCCRCの頻度は, 全大腸癌中1.9%(34/1765)で, Tis癌2.2%(18/821), T1癌2.1%(8/377)、T2以深癌1.4%(8/567)であった。PCCRC34例の平均年齢は71±10歳, 男性27例(79%), 局在は近位結腸 17例(50%), 遠位結腸 13例(38%), 直腸 4例(12%), 肉眼型は表面型17例(61%), 隆起型11例(39%), 2型/3型 6例(18%), 前回の大腸内視鏡検査からPCCRC発見までの平均期間は25±15ヶ月であった。主組織型はTub1 26例(76%), Tub2 5例(15%), Pap 1例(3%), Por/Muc 2例(6%)であった。MMR免疫染色を33例に施行し, 7例(21%)でMMR欠損(dMMR)を呈し,4例はT2以深癌,5例は近位結腸癌であり、全ての早期癌は, 前回大腸内視鏡検査後24か月以内に検出された。癌関連遺伝子のシークエンスを23例に行い, APC, KRAS, TP53に変異を多く認め、T2以深癌は6例中PIK3CA変異を5例(83%)に認め, TCGCのT2以深癌での変異率(27.1%)と比べて明らかに高かった。 またdMMRかつBRAF V600E変異を示した2例は原癌死例であった。この結果から、見逃し癌と考えられたTis/T1癌のうち表在型早期癌を約半数に認めた。急速に進行したと考えられたT2以深癌は約2割で, 近位結腸癌のdMMRやPIK3CA変異を示す特徴を認め,特に近位結腸癌のBRAF V600E変異を示すdMMR例は予後不良であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当院でのPCCRC34例のゲノム解析が終了し、予後解析も終了認め、これらの結果をまとめて論文として報告を行い、Clin Transl Gastroenterol. 2020; 11: e00246.としてpublishされた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は他施設での研究結果のValidation studyを予定している。
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Causes of Carryover |
R2年度(2020年度)に購入を予定していた、Sureselect NCC oncopanel は、他の共同研究費にて購入したため、PCCRCのgDNAの追加抽出のための試薬・消耗品に振り分けることができた。また、中間報告のための旅費は、コロナ禍の中で出張することができず、すべてWeb会議に切り替えて検討を行ったため、旅費は使用しなかった。そのため89万円程度を繰越し、2021年度に継続使用とした。2021年度は、集積した腫瘍の悪性度の評価を実施するために使用する。
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[Presentation] LINICAL FEATURES AND GENOMIC CHARACTERIZATION OF POST-COLONOSCOPY COLORECTAL CANCER2020
Author(s)
Tanaka H., Urabe Y., Oka S., Shimohara Y., Nishimura T., Inagaki K., Okamoto Y., Matsumoto K., Yamashita K., Sumimoto K., Ninomiya Y., Yuge R., Tanaka S., Chayama K.
Organizer
United European Gastroenterology Week 2020
Int'l Joint Research