2019 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism of the Plasticity of Innate Immunity during Metabolic Re-compensation in Liver Cirrhosis
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19K17502
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| Research Institution | Keio University |
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Principal Investigator |
チョ ハクショウ 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80570689)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 肝線維化 / 自然免疫 / 腸内細菌 / マクロファージ / 自然免疫 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
TRL4欠損骨髄移殖のモデルを用いてTLR4の細胞内経路を介する肝線維化消退への影響を確認した。Post-phagocytic in vitroで誘導した回復性骨髄由来回復性マクロファージにてTAK-242によるTLR4シグナルの阻害で細胞外基質の線維化消退に寄与するMMP12の発現低下を認めた。また、肝線維化の消退期に4種合剤抗菌薬による腸管除菌を行なった群は非除菌群より肝線維化消退が有意に遷延した。抗菌薬投与群において、肝線維化消退期の肝内骨髄由来回復性Ly6ClowのマクロファージのTLR4およびMMP12の発現低下を認めた。さらに、線維化消退の遅延にはNKκB-STAT3の下流にあるサイトカインであるTNFおよびIL6、またはケモカインCCL3の全肝発現の低下に関連した。
マウス腸管内細菌叢16S rRNA比較解析では、驚くことに肝線維化消退期にFirmicutes門に属するErysipelotrichaceae科の有意な増加を認めた。また、Erysipelotrichaceae科の腸内細菌には7α-hydroysteroid dehydrogenase (hdhA)を発現しており、PICRUSt法による腸管内細菌叢の代謝経路の関連予測にも、肝線維化消退の頂点には同遺伝子の有意な発現増加を認めた。既報と同様に肝線維化の原因とするCCl4投与終了後に、一旦低下する肝FXRの発現回復を認めた。一方、驚くことに同時に回腸FXRの発現が低下し、したがってFGF15の低下も認めた。TAK-242による細胞内TLR4シグナルの阻害はこの現象を遅延させた。4種の抗菌薬投与による腸管内除菌を行うとこの傾向が更に顕著になり、肝内胆汁酸代謝に最も寄与するCYP7A1, CYP27A1の発現上昇を認めた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今までの研究結果を踏まえて、マウス肝線維化CCl4モデルにおいて肝線維化消退期にTLR4経路を介しfibrolysisを司る回復性マクロファージの由来を特定している。また、その誘導の中心になり得る腸内細菌の変化や胆汁酸核内受容体FXR経路の有意な表現型も同定している。今研究のマウスモデルでの機序の発展においては、予定通りに検証の段階に入る。また、肝不全の急性非代償化・acute-on-chronic 肝不全やC型慢性肝炎の治療後変化を検討するヒト観察研究も進んでおり、得られた知見を互いに応用するところである。
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| Strategy for Future Research Activity |
下記のように研究を推進したい。
1.マウス肝線維化CCl4モデルにおいて肝線維化消退期における腸内細菌の役割の解明：Germ-freeマイスを用いて肝線維化回復期に有意に増加するErysipelotrichaceae科の腸内細菌の単離し投与にて肝線維化の回復に影響を与えるかどうかを検証し、その際に骨髄由来回復性マクロファージの自然免疫に関わる表現型や胆汁酸-FXR経路の変化を同定する。
2.マウス肝線維化CCl4モデルにおいて肝線維化消退期における胆汁酸-FXR経路の役割の解明：FXRは胆汁酸のみならず肝細胞のエネルギー代謝や再生にも寄与する。その表現型の変化の有無を確認する。
3.ヒト肝線維化消退モデルへの応用：C型慢性肝炎の治療後の肝線維化や肝予備能の回復、代謝機能障害の改善、肝発がんに関わる自然史にも不明な点が多い。HCV駆除前後の保存血清を用いて、本研究のマウスモデルから得られた知見を検討し応用を目指す。
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Research Products
(2 results)
