2021 Fiscal Year Research-status Report
PIポリアミドを用いた血中循環腫瘍DNA濃縮による高感度遺伝子型判定法の開発
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19K17508
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
北川 善康 千葉県がんセンター(研究所), 内視鏡科, 医長 (10838577)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大腸がん / 膵臓がん / KRAS |
Outline of Annual Research Achievements |
がん診療の新たなバイオマーカーとして腫瘍由来循環腫瘍DNA (ctDNA)が注目されている。我々は、標的遺伝子のDNA配列に特異的に結合するピロールイミダゾール含有ポリアミドにビオチンを付加修飾した複合体(PI polyamide-biotin)を用いることで、血液中の微量ctDNAを濃縮する技術を開発した。 申請者は、組織からKRAS変異陽性が確認されている大腸がん患者の保存血液を用いてパイロット研究を行い、デジタルPCRによるctDNAの検出感度がPI polyamide-biotin濃縮後に向上し、早期大腸癌においてもctDNAが検出できることを確認した。この結果は、2019年にScientific reports誌に報告している。 2020年より、当センターで外科手術を受けた膵臓がん患者の血液サンプルを対象とし、PI polyamide-biotinを用いた濃縮法によるctDNAの検出感度を検討する研究を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
論文投稿および追加実験に注力し、新規検討の開始が遅れた。2020年より新規試験を開始したが、DNA抽出キットの手配に時間を要するなど、COVID-19の感染拡大の影響で、研究の実行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに、当センターで外科的治療を受けた患者80症例のパラフィン包埋組織ブロックから薄切標本を作成し、DNAを抽出後に、KRAS変異遺伝子の測定を行った。結果、80例中、65例においてKRAS変異遺伝子を検出した(G12D:38例、G12V:22例、G12R:5例)。G12D:38例中、11例に関してデジタルPCRによるctDNAの検出を行ったが、PI polyamide-biotin濃縮前・後ともにctDNAは検出されなかった。G12V:22例中3例に関しては、濃縮前は検出されなかったが、濃縮後はctDNAが検出可能であった。 臨床サンプルを増やして、追加実験を予定する。また、遺伝子変異型によって、検出精度に差が生じており、Plasmid DNAを用いてPI polyamide-biotinの濃縮精度に関して、再度検討を行う。
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Causes of Carryover |
次年度は、臨床サンプルを用いた検討を予定しているため、使用額の増加が見込まれる。
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Research Products
(4 results)