2020 Fiscal Year Annual Research Report
DAAによるHCV排除後の自然免疫修飾と肝がん早期再発機序の解明
Project/Area Number |
19K17509
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
由雄 祥代 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 肝疾患先端治療研究室長 (10774060)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | C型肝炎 / ナチュラルキラー細胞 / 樹状細胞 / 肝がん |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性肝疾患患者における肝がんは慢性炎症を母地として発症するため、再発しやすい。C型慢性肝炎・肝硬変患者において、経口抗ウイルス薬によるウイルス排除後も、発がんの既往者は3年で約半数以上が再発することが知られている。慢性肝疾患患者においては、免疫細胞の数・機能が低下することが知られているが、その回復の程度と再発の関連は知られていない。ナチュラルキラー(NK)細胞と樹状細胞は、がんの進展制御および免疫チェックポイント阻害剤による治療効果に貢献することが報告されている。今回、我々はC型慢性肝炎患者16例(経口抗ウイルス薬投与前・投与後12週)、健康成人16例のNK細胞・樹状細胞の頻度・表面マーカーの解析をマスサイトメトリー・フローサイトメトリーを用いて行った。NK細胞の頻度は、治療前に健康成人と比較して有意に低下、治療後12週の時点では回復傾向を認めた。治療前のNK細胞の表面マーカーは、健康成人と比較してNKp30, NKp46, CD160, Siglec-7の発現低下、CD49aの発現上昇を認めた。これらの因子は、肝硬変患者で慢性肝炎と比較してより顕著であった。治療後、Siglec-7は改善傾向であったが、その他の因子は変化を認めなかった。C樹状細胞はサブセットごとの解析により、Plasmacytoid DC (pDC), myeloid DC2 (mDC2)の低下、AXLDCの上昇を認めた。治療後12週の時点ではAXLDCの有意な低下を認めた。再発・非再発群においてこれらの因子の変動に差が出るかを今後検討予定である。
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