2019 Fiscal Year Research-status Report
Identifying risk factors for the post replacement-related complications following aortic valve replacement in patients with severe aortic valve stenosis with 4D-MRI blood flow dynamics imaging.
Project/Area Number |
19K17510
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神谷 究 北海道大学, 大学病院, 助教 (60797108)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大動脈弁狭窄症 / 経カテーテル的大動脈弁留置術 / 心不全 / 磁気共鳴画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
経皮的大動脈弁留置術(TAVI)施行にもかかわらず、心不全による再入院や死亡を来たす例、また、弁血栓症による人工弁の急速な劣化や術後圧較差増大を来す症例が存在し、それら有害事象の予測因子解明、早期治療介入はTAVIの残された課題としてあげられている。今回研究では,既存の検査では評価困難な人工弁留置前後の特異的な血流動態がそれらにどのような影響を与えているかを検証することである。 これまで、症候性大動脈弁狭窄症患者のTAVIが施行された患者に対して4D flow MRI撮像を行い、血流解析を行ってきた(49症例)。そのうち,心房細動患者では血流評価を行うことが困難で除外している(4例)。 研究初年度は、4D-MRIによりTAVI前後の観察を中心に行った。上行大動脈内における渦流、らせん流の血流パターンは大動脈弁狭窄患者では既報の正常例に比べより強いものであった。TAVI治療介入により上行大動脈内の血流パターンは有意に変化し、層流になる症例が多いことが明らかになった。狭窄した大動脈弁により増強した上行大動脈の血流のエネルギー損失は,TAVI治療介入により有意に改善することも明らかになった。また,血流パターンの変化に伴って上行大動脈における壁応力もTAVI治療前後では有意に低下することが示された。このことはTAVI後に上行大動脈拡張の抑制につながるものと考えている。TAVI治療前後の血流動態変化においては現在論文投稿中である。 このようにTAVI治療による血流動態の変化を4D flow MRIによりとらえることが可能であったため,今後はどのような血流変化が有害事象につながるかを検証していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
TAVI施行患者では全例撮像予定であったが,心房細動患者では血流動態の評価が困難であった。植え込み型ペースメーカーが必要となった患者においても撮像することが出来なかった。本年になりCOVID-19の影響のためTAVI施行件数が減少しており症例登録が思うように進んでいない。 また、合併症頻度も予想していた以上に低いことが考えられたため、血流動態との関連を検討するに至っていない。多施設共同研究として継続することを検討しているが、研究の企画や他施設との調整段階にとどまっている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
当院での症例数の増加を推進していくのと同時に,研究の最終年度とはなるが、多施設共同研究を立ち上げを行い,有害事象の予測因子解明につなげていく予定である。
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Causes of Carryover |
令和元年度に大動脈弁置換術後の有害事象の発生解析まで行う予定であったが、発生件数が少なく解析まで至らなかった。そのため計画を変更し、解析結果の学会発表、論文投稿は次年度に行うこととしたため未使用額が生じた。 未使用経費は、次年度の学会発表、論文投稿の経費に充てることとする。
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Research Products
(3 results)