2020 Fiscal Year Research-status Report
尿酸塩結晶による冠動脈の局所炎症を標的とした先進的診断・治療法開発
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19K17511
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西宮 健介 東北大学, 大学病院, 助教 (10734238)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 尿酸 / 痛風 / 高尿酸血症 / 炎症 / インターロイキン / 冠動脈 / OCT / 光干渉断層 |
Outline of Annual Research Achievements |
年度内に所属機関である東北大学病院において本研究に関する倫理申請が承認された。現在、ブタ動脈硬化モデルに対する尿酸異常症を局所的、あるいは全身性に誘導する取り組みを続行中である。同時に臨床研究として、急性冠症候群の連続23例の血栓を採集し終え、偏光顕微鏡と質量分析法を用いて、結晶成分が存在するか解析を進めている。これと並行して、痛風合併と非合併心血管疾患患者7例に対して、dual-energy source CT(DECT)を用いて冠動脈の撮影を行い、血管壁に尿酸塩結晶に特異的な信号強度が発生するか、検討を進めている。中途段階であるが、痛風合併例でDECTが有意に高いこと、安定狭心症に比して急性冠症候群で有意に信号が高いことを見出した。一方で血管炎症の連関を検討する基本手法として、光干渉断層像(OCT)における炎症マーカー=プラーク内微小血管(IPN)と血管栄養血管(vasa vasorum, VV)が、器質狭窄が乏しい非閉塞性冠動脈疾患(INOCA)の予後に与える影響を検討した。本検討によってIPNとVVという2つの炎症マーカーが相互に交通をもち、いずれも強固な予後マーカーとなっていることを見出した(Nishimiya K, et al. J Am Coll Cardiol Intv. 2021 Mar, 14 (6) 606-618)。今後、尿酸塩結晶が惹起する冠動脈炎症の評価法の一つとして、OCTを用いた本法が有用であると考えられた。本成果を、欧州心臓病学会2020で公表し、高い評価を受けた(Young investigator awardを受賞した)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験を行うための予備検討として、ヒトを対象とした臨床研究を先行させているが、感染流行などの事情で患者数が減少したこともあり、遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
対策として、研究の効率を上げるために、近隣病院(仙台オープン病院)との共同研究という形として対象を拡大した。今後は、血栓、DECTのデータをまとめ、痛風惹起性炎症の動物モデルの開発を続行する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス流行の影響により、東北大学全体で一定期間の研究の自粛、制止を求められたこと、演題投稿したすべての学会がWEB開催あるいは中止となったことから、それらに対する旅費を計上する必要性がなかったことなどが理由である。
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[Presentation] Clinical implications of coronary artery morphology of patients with ischemia and non-obstructive coronary artery disease (INOCA) -An intracoronary OCT study-2020
Author(s)
Kensuke Nishimiya, MD, PhD; Akira Suda, MD, PhD; Kiyotaka Hao, MD, PhD; Jun Takahashi, MD, PhD; Yasuharu Matsumoto, MD, PhD; Koichi Satoh, MD, PhD; Jun Sugisawa, MD, PhD; Tomohiko Shindo, MD, PhD; Shigeo Godo, MD, PhD; Yoku Kikuchi, MD, PhD; Takashi Shiroto, MD, PhD; Hiroaki Shimokawa, MD, PhD.
Organizer
European Society of Cardiology
Invited
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