2023 Fiscal Year Annual Research Report
Morphological, Hemodynamical and Molecular Biological Analysis Regarding Exercise Intolerance after Ventricular Assist Device Implantation
Project/Area Number |
19K17514
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩花 東吾 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (00789307)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 植込型VAD / 重症心不全 / 補助人工心臓 / 心肺運動負荷試験 / RNA-sequence |
Outline of Annual Research Achievements |
重症心不全に対する植込型補助人工心臓(Ventricular Assist Device, VAD)による治療は、心臓移植への橋渡し治療として生命予後の点では非常に良好であるが、運動耐容能の点では心臓移植後症例には遠く及ばず、長期経過では右心不全・大動脈弁機能不全などにより心不全を来すこともある。本研究では、植込型VAD装着患者の運動耐容能・QOLを改善し心不全入院を防ぐことを目的とし、①運動耐容能・QOLを規定する因子の同定、および②最適なVADポンプ回転数の設定法を確立することを目的とする。従来の心エコーや心肺運動負荷試験に加え、複数の回転数設定においてSwan-Ganzカテーテルによる直接的な血行動態測定(Ramp test)を行い、併せて右心不全や左室逆リモデリングに関連する心筋の状態評価としての病理組織学的検討、RNA-sequencingによる遺伝子発現解析、さらには日常生活における活動量測定等、多面的な解析を行うものである。 2019年度までで、大学内の倫理審査委員会で承認、症例登録の開始、先行研究である重症心不全におけるRNA-sequenceingと左室逆リモデリングに関する論文がacceptされた。 COVID-19流行の影響で、入院でのカテーテル検査および入院・外来とも心肺運動負荷試験の実施が制限せざるを得ず、症例組み入れに遅れを生じた。因果関係は不明であるが、植込型VADの装着件数は全国的に減少し、当院でも症例登録が思うように進まなかった。 先行研究として多種類の植込型LVAD装着患者について、運動耐容能と血行動態指標を後ろ向きに検討し、運動耐容能を規定する血行動態因子を探索した結果、安静時の脈圧が指標として有用であることを見出し、それらの結果をまとめてJournal of Artificial Organs誌へ報告した。
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