2021 Fiscal Year Annual Research Report
TRPV1阻害による心筋障害リバースリモデリングと心室性不整脈耐性の検討
Project/Area Number |
19K17517
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
吉江 幸司 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (60724515)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心臓交感神経 / TRPV1 / dnNRSF-Tg / TAC / 難治性心室性不整脈 / 慢性心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では心臓交感神経求心路阻害による難治性心室性不整脈耐性効果ならびに慢性心不全治療の可能性を検証するために、未だ報告の乏しい非虚血性慢性心不全における TRPV1 を介した心臓交感神経求心路修飾の治療アプロ ーチとしての意義とその分子機序を明らかにする独自性および創造性の高い研究を推進してきた。申請者らの保有する非虚血性心不全・突然死自然発症モデルマウス(優勢抑制変異型 NRSF 心筋過剰 発現マウス[dnNRSF-Tg]、圧負荷肥大心(TAC)モデルといった各種心筋障害モデルを用い、 TRPV1ノックアウトマウス(KO)および選択的TRPV1 阻害薬を用いて、TRPV1 への介入による構造的ならびに機能的心臓リモデリング抑制効果の解析を行った。TRPV1 KO が非虚血性突然死モデル-dnNRSF-Tg並びに圧負荷モデルの生存率を向上させ、心機能を改善させると同時に心臓線維化も抑制し、電気生理学的にも機能的リモデリングを抑制することから致死性心室性不整脈を抑制するという有望な研究結果が得られている。TRPV1 発現神経抑制にあたってこれまでの先行研究で用いられ てきた RTX は強力な炎症反応による急性期の交感神経過剰活性化と慢性期の心臓拡張障害をきたす ことから、心筋障害モデルへの使用には不適切である上にヒトへの臨床応用は不可能である。本申請研究は TRPV1 チャネルを標的とした新規心不全予防・治療薬の創出を見据えた前臨床 Proof-of- concept 取得を目標として引き続き、交感神経求心路阻害に始まる心機能改善の詳細な分子メカニズムを解明していく。
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