2019 Fiscal Year Research-status Report
大動脈弁狭窄症の石灰化の定量評価と予後調査に関する研究
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19K17522
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷口 智彦 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (50837929)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大動脈弁狭窄 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の予定は、大動脈弁狭窄症例のCT画像の解析を行って大動脈弁石灰化を評価するという方針であったが、解析ソフトの入手が遅延したため、まずは患者背景因子、周術期情報、退院後予後の収集を優先的に行い、データベース構築を今年度行うこととした。2020年度以降は解析ソフトを用いてCT解析を行っていく予定である。研究計画の概要は以下の通りである。 大動脈弁狭窄症における重症の基準としては、心臓超音波検査における、①大動脈弁最大通過血流速度≧4m/s、②大動脈弁平均圧較差≧40mmHg、③大動脈弁弁口面積≦1cm2のうち、いずれかを満たすことであるが、実臨床では③のみを満たし、最大通過血流速度、圧較差については中等症ASに分類されるLow gradient severe ASがしばしば見受けられ、重症度について迷うケースが存在する。この際には、弁変性の定量評価がキーとなると考えられる。本研究では、TAVI術前のCTにおける石灰化病変の定量評価と、心臓超音波検査におけるAS重症度の関連性を評価し、予後に影響を与える因子について検討する。また、周術期のカルテより弁輪部破裂、冠動脈閉塞、脳梗塞、ペースメーカ留置症例、弁周囲逆流を抽出し、大動脈弁尖やその周囲構造の石灰化と合併症の関連性について調査を行い、リスク因子の検討を行う。患者背景因子、術前心エコー情報、心電図情報、周術期合併症(弁輪部破裂、冠動脈閉塞、症候性脳梗塞、大動脈解離、完全房室ブロック)の有無について収集する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
術前CT画像の解析に使用する予定であった解析ソフトは、予算上の問題から導入困難であることが判明したが、幸い2019年度末に病院に導入されることとなった。そのため、2019年度は先ずAS症例の患者背景因子、周術期情報、退院後予後の収集を先に行うこととし、データベース構築を優先的に行った。また、学会や研究会などでAS症例のCT画像に関する情報収集を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
画像解析ソフトが導入され使用可能となったため、石灰化スコアや石灰化分布(STjunction、右冠尖、左冠尖、無冠尖、弁下左室流出路)などに着目し検討を行っていく。また、心臓超音波での重症度評価とCT石灰化評価との関連性についても検討を行っていく。また同時進行で患者背景因子、周術期情報、退院後予後を収集しデータベース構築も進めていく。
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Causes of Carryover |
当初の計画で考慮していた画像解析ソフトの購入は予算の都合上不可能であったため、本年度用いることは困難であった。来年度はデータ解析のための物品や予後調査のための物品に充てる方針とする。
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