2019 Fiscal Year Research-status Report
心臓への粒子線照射後の組織学的、電気生理学的変化の解析と不整脈治療への展開
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19K17524
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高見 充 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (50793717)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 粒子線 / 電気生理学的変化 / 組織学的変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はウサギに鎮静を行い心エコー図検査、心電図検査を施行。 合計32羽のウサギを兵庫県立粒子線医療センターに搬送しウサギの心臓へ非侵襲的に粒子線の照射を行った。これらのウサギを再度神戸大学動物実験施設に搬送し、心電図、心エコー図検査などを定期的に行い経過観察を行った後に全身麻酔下で開胸にて心外膜側の電気生理検査を行い、その後安楽死を行った。心臓、周辺組織の組織学的評価を行った。現在組織学的評価、電気生理学的検査の評価を行っているが、粒子線照射群においては、まず皮膚(前胸部)に照射による皮膚変化を認め、心エコー図検査では1-3カ月後に心嚢水貯留などの所見を認め、体表心電図では電位の低下を認めた。開胸下での電気生理検査では照射群において伝導時間の延長、伝導速度の低下、電位波高の減高を認め粒子線照射により電気生理学的変化を確認できた。粒子線照射による明らかな電気生理学的変化、組織学的変化を認めている。また周辺臓器への影響も明らかとなった。これらの結果は今後カテーテルを使用しない放射線照射による非侵襲的な不整脈治療への応用につながる非常に重要な知見であると考えられる。これらの結果は本年の日本循環器学会総会、日本不整脈心電学会総会、また米国不整脈学会総会などで発表を予定している。同時にこれらの結果は来年度を目安に論文として学術雑誌に投稿を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
粒子線照射群においては、まず皮膚(前胸部)に照射による皮膚変化を認め、心エコー図検査では1-3カ月後に心嚢水貯留などの所見を認め、体表心電図では電位の低下を認めた。開胸下での電気生理検査では照射群において伝導時間の延長、伝導速度の低下、電位波高の減高を認め粒子線照射により電気生理学的変化を確認できた。将来的に不整脈治療への応用が期待される結果が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究結果は本年の日本循環器学会総会、日本不整脈心電学会総会、また米国不整脈学会総会などで発表を予定している。同時にこれらの結果は来年度を目安に論文として学術雑誌に投稿を予定している。これらの学会、論文での評価を元に次のステップを考えていく。
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Causes of Carryover |
粒子線照射後のフォローアップ期間が終了していないウサギがあり、次年度にも飼育費などが必要となる。また電気生理学検査や組織学的検査も必要であるため電極カテーテルや薬品なども必要となる。また学会出張、論文投稿などの費用も生じると考えられる。
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Research Products
(2 results)