2022 Fiscal Year Annual Research Report
数値流体力学血流解析による早期ステント被覆と新生動脈硬化の機序解明と治療最適化
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19K17527
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宮崎 要介 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (70771781)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 数値流体力学解析 / 冠動脈瘤 / 冠動脈分岐部 / Quantitative flow ratio |
Outline of Annual Research Achievements |
冠動脈瘤を伴う急性心筋梗塞患者における冠動脈血流の数値流体力学解析を行った。急性心筋梗塞に対する冠動脈形成術後に行った冠動脈CTを用いて解析を行った。期間中6例の冠動脈瘤を原因とする急性心筋梗塞症例の数値流体力学解析が可能であった。冠動脈血流の低下、Recirculation flowが観察された。Wall shear stress 0.2Pa以下で定義したExtremely low wall shear stressが全ての症例で観察され、そのareaの中央値は129.0 (56.7-381.2) mm2であった。正常冠動脈3例で同様の解析を行ったところ、8.7 (0.0-.) mm2であった。そのため、Extremely low wall shear stress areaは急性心筋梗塞発症のリスク因子となる可能性が考えられた。また、冠動脈瘤を伴うが心筋梗塞を発症していない場合もExtremely low wall shear stress areaは277.1 (165.5-277.1) mm2であった。この知見は冠動脈瘤によりExtremely low shear stress areaの高値になるが、急性心筋梗塞を発症していない症例でも高値になることが示唆された。冠動脈瘤は頻度が低く症例数は少ないがさらに本研究を進めることにより冠動脈瘤患者の心筋梗塞発症の要因を発見できる可能性が示唆された。また血流低下による血栓形成を抑制するために抗凝固療法が適切か、抗血栓療法が適切であるかの因子も考察できる可能性を考えている。 CTにおける冠動脈数値流体力学解析を進めるにあたり冠動脈CTにおける分岐部解析、Quantitative Flow Ratio(QFR)を用いてcoronary physiologyを評価から、最適な冠動脈治療後の抗血栓療法の治療法最適化の解明を続ける。
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