2019 Fiscal Year Research-status Report
新しいヒス束ペースメーカの長期予後と刺激伝導系の解明を目指した多施設共同研究
Project/Area Number |
19K17558
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柳澤 哲 名古屋大学, 医学系研究科, 寄附講座講師 (30768578)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ペースメーカ |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒス束ペースメーカは2017年本邦に導入された全く新しいペーシングシステムである。刺激伝導系であるヒス束を直接捕捉・ペーシングすることにより、従来の右心室ペーシングで懸念された非効率的な心室同期不全や、心拍出量低下から引き起こされる心不全発症を回避できる可能性がある。日本では臨床診療に導入されてから間もないため、各施設ともまだ症例数が少なくその適応や効果について模索している段階である。本研究の目的は、ヒス束ペースメーカ症例を対象として前向きで多施設の共同研究を行い、ヒス束ペースメーカの有効性と安全性、心機能への影響や長期的な予後について検証を行うものである。 今年度は研究プロトコル・計画について、主管実施施設である当病院の生命倫理審査委員会からの承認が下りた。引き続き共同研究機関において、それぞれの倫理審査委員会から研究実施の承認が得られた。最初にWEBシステムでの症例登録システムを構築し、多施設での症例登録や入力がすみやかに行えるように準備と管理を行った。その後症例の登録と研究を開始しており、これまでに約1年間で25例のヒス束ペースメーカシステム植え込み症例の登録が得られた。現在登録完了施設は6施設からなり、年齢も50から80歳台と多岐にわたっている。同時に、個々の症例について6か月後の短期評価項目の調査入力を行っている状況である。また、本研究のデザイン/プロトコル論文を作成して投稿し、日本不整脈心電学会関連の雑誌に掲載となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例の組み入れ登録を開始しているが、現時点ではやや症例の見積もり数と比較して不足がちな状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き症例登録を続けて、できるだけ多くの症例登録を目指す。また得られた結果をもとに分析を開始していく予定である。
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Causes of Carryover |
症例登録システムの構築・実装と、症例登録開始がやや遅れたことが要因と考えられる。今後は、成果発表や情報収集のために学会参加や発表準備費用が必要である。また症例登録システムの管理維持費用も必要である。
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Research Products
(5 results)