2022 Fiscal Year Annual Research Report
新しいヒス束ペースメーカの長期予後と刺激伝導系の解明を目指した多施設共同研究
Project/Area Number |
19K17558
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柳澤 哲 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (30768578)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ペースメーカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ヒス束ペースメーカを植え込んだ症例を対象として前向きで多施設の共同研究を行い、ヒス束ペースメーカの有効性と安全性、長期的な予後について検証を行うものである。計画として、昨年度までに参加施設においてヒス束ペースメーカ植え込みが試みられた症例について登録を行った。今年度は、植え込み後のフォローアップ期間にあたり、植え込み後3年までの経過(予後:死亡・心不全入院・ペーシングパラメーターの推移・心機能の変化等)について各症例のフォローを行った。全体として100例以上のヒス束ペースメーカ植え込み試行症例の登録を完了することができた。症例登録数としては各施設ごとでばらつきがあり、比較的少数例での報告施設もあれば、数十例以上施行の報告施設もあり、参加施設によるヒス束ペースメーカ植え込みの適応や実施状況について、傾向がみられる結果であった。さらに、ヒス束ペースメーカの成功率は必ずしも絶対的に高いわけではなく、いくつかの症例では、術中にヒス束ペーシングを断念して通常の右心室ペースに移行する症例も散見された。房室ブロック部位別では、房室結節内ブロックの症例では比較的ヒス束補足の成功率が高い結果であったが、ヒス束下ブロックの症例では手技に難渋するケースが認められる結果であった。今後は植え込み3年後までの経過予後(死亡や心不全入院、ヒス束ペーシング治療断念など)を引き続き継続して追跡していく予定であり、ヒス束ペースメーカの長期予後の詳細が明らかになる。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Depolarization and Repolarization Dynamics After His-Bundle Pacing: Comparison with Different Pacing Modes2022
Author(s)
Yanagisawa S, Inden Y, Watanabe R, Suzuki N, Tsurumi N, Okajima T, Nakagomi T, Suga K, Shimojo M, Shibata R, Murohara T.
Organizer
第68回 日本不整脈心電学会学術大会