2021 Fiscal Year Annual Research Report
重症心不全に伴う二次性臓器障害の可逆性と予測指標の検討
Project/Area Number |
19K17580
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岩崎 慶一朗 岡山大学, 大学病院, 医員 (40815346)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心不全 / サルコペニア / 腎不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、補助人工心臓および心臓移植の対象となる重症心不全患者を対象として、心不全に合併した他臓器障害(腎機能障害、サルコペニア等)が治療開始後にどの程度改善するかを明らかとし、Advanced therapy導入前に臓器機能障害の可逆性を判断する方法を確立することである。本研究は、国立循環器病研究センターにおける補助人工心臓・心臓移植症例を対象として後ろ向きおよび前向き観察研究を行っている。現在に至るまで過去の症例および前向き登録症例を対象として、上記検討に必要な臨床情報を収集し、解析を行っている。 2020年に重症心不全患者の尿クレアチニン排泄量が補助人工心臓装着後の臨床転帰と関連があることを報告した(Circ J. 2020 Oct 23;84(11):1949-1956.doi: 10.1253/circj.CJ-20-0238.)。クレアチニンは筋肉から発生する代謝物で、排泄を腎機能に依存することから腎機能指標として頻繁に用いられるが、時間当たりのクレアチニン産生量は体内の筋肉量と相関するため、尿クレアチニン排泄量はサルコペニアの指標として有用である。本研究においては、植込型補助人工心臓装着前の重症心不全患者におけるクレアチニン排泄量がCT計測上の筋肉量と有意に相関し、また植込型補助人工心臓装着後の頭蓋内出血と有意に関連していることを報告した。また、同年に重症心不全患者の血小板数が植込型補助人工心臓装着後の再開胸を要する出血と有意に関連していることを報告した(Circ J.2020 Oct 23;84(11):1949-1956. doi: 10.1253/circj.CJ-20-0238.)。植込型左室補助人工心臓装着前のナトリウムクリアランスおよび装着中の溶血(LDH)と腎機能の関係に関して論文化を目指している。
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