2021 Fiscal Year Annual Research Report
Hyperemic Absolute coronary flowの信頼性評価試験
Project/Area Number |
19K17590
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
茂木 聡 浜松医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (60573368)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 冠動脈 / 微小循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブタ冠動脈に対して冠血流の測定を熱希釈法の原理を用いて施行した。もともとヨーロッパで使用可能な熱希釈用カテーテル(Rayflow;国内臨床使用不可)で得られる冠動脈血流量と国内で臨床使用可能な冠動脈薬剤注入用カテーテルの同等性があるかどうかを比較した。ブタ6頭を全身麻酔下において冠血流を測定した 初めにRayflowで実施、左右冠動脈で2回づつ測定。続いて国内使用可能なカテーテルで同様に左右冠動脈で測定した。熱希釈用の冷水は室温の生理食塩水を用いた。結果国内で使用可能なカテーテルでも熱希釈法による冠血流の測定が可能であることがわかった。また、室温の生理食塩水で冠動脈の最大充血が得られることが分かっているが、最大充血が得られる機序に血管内皮細胞からのATP分泌が起用していると考え、生理食塩水注入前後で冠動脈のATP濃度の比較を行った。ATP濃度に関してはばらつきがあり追加実験が必要であると思われた。本研究を通じて冠血流の測定するための本邦における手段の一つが確立できた。今まで冠微小循環障害は測定法が無いことで疾患理解や治療薬剤の開発が遅れていたが、今回の実験で測定法が確認できた。次にヒトにおいて冠血流が測定できるかどうかを検証する実験を予定している。ヒトで正確に冠血流が測定できるとすれば、微小血管抵抗(IMR)が測定でき、冠動脈疾患だけでなく、心不全の病態解明につながると思われた。微小循環障害の病態生理の解明が進めば、微小循環障害による胸部症状、心機能低下の改善させる創薬につながると思われる。
|