2021 Fiscal Year Research-status Report
非侵襲・低侵襲モダリティを用いた成人先天性心疾患における心肝連関の病態評価
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19K17597
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
塚本 泰正 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 移植医療部, 部長 (80747072)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 成人先天性心疾患 / 心肝連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、成人先天性心疾患患者においてエラストグラフィ法による肝硬度や経頚静脈肝生検による組織学検討などを用いて、先天性心疾患の遠隔期に生じうる、うっ血性肝障害および肝線維化に関して詳細な評価を行い、循環状態指標などの臨床データもあわせて解析することで、成人先天性心疾患における心肝連関の病態について検討することである。 大阪大学医学部附属病院に精査加療目的で入院した成人先天性心疾患を対象に、エラストグラフィ法による肝硬度測定、血行動態評価のデータ収集および肝臓組織学的検討を行ってきた。 令和3年度については成人先天性心疾患の中でもとりわけ高い中心静脈圧が持続することによるうっ血性の肝障害が問題となる、Fontan手術後の単心室患者を対象としてデータの解析を行った。具体的にはFontan手術後の成人24例(男性15例、年齢中央値35歳)を対象に、①肝障害を伴わないFontan術後症例における肝硬度と中心静脈圧の関連、②肝障害の有無による肝硬度への影響、を検討した。①肝障害を伴わないFontan術後症例においては、非成人先天性心疾患症例と同様に肝硬度と中心静脈圧が相関した。②肝硬変が疑われる症例においては肝硬度が上昇している傾向にあり、肝硬度から中心静脈圧を推定した場合に過大評価する可能性が示唆された。これらの検討結果について、第23回日本成人先天性心疾患学会学術集会にて発表を行った(筆頭演者は研究協力者である大阪大学江見美杉医師)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度まではコロナウイルス流行に伴う入院症例の減少等によりデータ収集が遅れていた。令和3年度についてはおおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られたデータおよび解析結果から論文発表を行っていく。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス流行拡大により学術集会の中止やWeb開催に伴い旅費が削減となった。今後解析に必要となる機器や研究代表者が令和3年国立循環器病研究センターに異動となったため検討のためのWeb会議のための物品購入、学会発表の旅費・参加費および論文発表の英文校正や投稿料等に充てる予定。
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