2023 Fiscal Year Annual Research Report
急性心筋虚血における、ミトコンドリアのオートファジーの分子機構解明
Project/Area Number |
19K17601
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
齊藤 寿郎 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60648484)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 虚血性心疾患 / mitophagy / autophagy / 虚血再灌流 |
Outline of Annual Research Achievements |
<背景> 絶え間なく収縮・弛緩を繰り返す心臓にとってミトコンドリアの品質管理は重要である。ミトコンドリアは心臓容積の3割を占めるとされ、平時はエネルギー代謝の中枢として機能し、病態下でダメージを受けると活性酸素源となり細胞死を誘導することが知られている。mitophagyはミトコンドリアの主要な品質管理機構だが、心臓においては不明な点が多く存在した。培養細胞での過剰発現系やuncouplerを使用した研究からParkin-Pink1経路が分子機構として注目されたが、生体内においても重要であるか否かは見解が分かれており、心臓の病態生理下でmitophagyがどのような意義を持つか、どのように制御されているかは不詳だった。 <目的> autophagyやmitophagyは栄養飢餓で活性化して細胞を保護する。心筋虚血の急性期においてmitophagyが心筋保護に働くか否かを検討し、分子機構を解明する。 <方法・結果> レポーターを発現した遺伝子改変動物の虚血心筋においてmitophagyを定量し、主要な分子機構を特定した。安静時のmitophagyは通常のautophagyに制御されるが、虚血時のそれはUlk1依存性alternative autophagyに主に制御され、心臓を保護することを解明した。培養心筋細胞において過剰発現やノックダウンを使用しながら、分子機構の詳細を明らかにした。引き続き現在は虚血再灌流のmitophagyについて検討している。
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