2021 Fiscal Year Research-status Report
micro-RNAに着目したがん関連血栓症の病態解明と先制医療への展開
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19K17602
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
東 晴彦 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師(特定教員) (10598634)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | がん関連血栓症 / micro RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、がん治療の進歩により増加し続けるがんサバイバーにおける課題の1つであるがん関連血栓症の病態を解明し、早期診断マーカーとなるmicro RNAを同定することを目的とする。 本年度は、研究計画に従い、まずはがん関連血栓症の実態を把握するため2018年1月から2019年7月に愛媛大学医学部附属病院において施行された下肢静脈エコー検査連続1905件について調査した。DVTの多くはヒラメ静脈など末梢型DVTであったが、より血栓塞栓症リスクが高いと考えられる中枢型DVTに関して検討した。中枢型DVTは44例に認められ、その内の20例ががん関連血栓症であった。また、がん関連血栓症20例のうち、7例が血栓塞栓症を発症していることが判明した。癌種別に検討した結果、肺癌、胃癌、膀胱癌などあらゆる悪性腫瘍に中枢型DVTが認められたが、中でも子宮頸癌4例、子宮体癌2例、卵巣癌2例と婦人科系の悪性腫瘍が多かった。この結果を受けて、婦人科系悪性腫瘍におけるがん関連血栓症の実態についてより詳細な臨床背景、画像所見、血液検査所見を検討することとした。 本研究はmicro-RNAに関する解析を含めて愛媛大学医学部附属病院の臨床研究倫理審査委員会に申請し、「がん関連血栓症の実態調査とmicro-RNA解析による早期診断マーカーの開発」として承認された。 2020年度は婦人科系悪性腫瘍を有する49症例から同意が得られたため、micro RNA解析用の血液検体を含めて臨床データを収集している。血液検体に関しては現在-80℃で保存しており、愛媛大学学術支援センター病態機能解析部門でmicro RNAの解析を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予想していたより症例登録に時間を要したため予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在-80℃で保存している検体を用いて、近日中に愛媛大学学術支援センター病態機能解析部門でmicro RNAの解析を開始する。
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Causes of Carryover |
症例登録に予想以上に時間がかかり、micro RNA解析を開始できなかったため解析に要する費用がかからなかった。現在は症例登録も完了しており、今後は-80℃で保存している検体を用いて愛媛大学学術支援センター病態機能解析部門でmicro RNAの解析を行う。
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