2020 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷応答を介した心不全病態形成における分子機構解明
Project/Area Number |
19K17607
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐藤 迪夫 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 特任助教 (10833410)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | HMGB2 / lncRNA / AK141659 / 2500002B13Rik / 心不全 / DNA損傷応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、圧負荷誘導心不全モデル(TACモデル)を用いた心不全病態形成初期におけるプロテオーム解析により、心不全病態に関わる遺伝子の一つとして、DNA修復に関与するHmgb2遺伝子を同定した。また同モデルにおいてHmgb2欠損(KO)マウスは野生型(WT)マウスに比べ心機能が低下することと、同マウスでは「DNA損傷応答」が亢進していることを見出した。 また、申請者はHmgb2と隣接するlncRNAであるAK141659:2500002B13Rikに着目し、TACモデルにおいて心臓組織中のAK141659がHmgb2とは逆に、有意に減少することを確認した。さらに、AK141659 KOマウスにおいて圧負荷誘導心不全が増悪する一方で、過剰発現(Transgenic:Tg)マウスでは心不全の進展が抑制されることを見出した。 一般にlncRNAは「隣接」する遺伝子を制御することが多いことから、AK141659の標的遺伝子について、ゲノム上、AK141659と隣接するHmgb2およびSap30に着目した。しかし、WTマウスおよびAK141659 KOマウスを用いたTACモデルにおいて、心臓組織中のHmgb2およびSap30のmRNA発現量やタンパク量に変化を認めず、AK141659は隣接する遺伝子の制御に関与していないと判断した。 次に、AK141659 Tg、KOマウスおよびWTマウスの心臓組織を用いたプロテオーム解析の結果、Tgマウスにおいて「Hint1:Histidine Triad Nucleotide Binding Protein 1」が減少していることを見出した。Hint1はDNA損傷応答を促進することが報告されていることから、AK141659の心保護作用は、心不全増悪の重要な要因の一つであるDNA損傷応答を軽減することによる可能性が示唆された。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] The lncRNA Caren antagonizes heart failure by inactivating DNA damage response and activating mitochondrial biogenesis2021
Author(s)
Michio Sato, Tsuyoshi Kadomatsu, Keishi Miyata, Junco S Warren, Zhe Tian, Shunshun Zhu, Haruki Horiguchi, Jun Morinaga, Taichi Sugizaki, Kaname Hirashima, Kumiko Yoshinobu, Mai Imasaka, Masatake Araki, Yoshihiro Komohara, Tomohiko Wakayama, Shinichi Nakagawa, Sarah Franklin, Koichi Node, Kimi Araki, Yuichi Oike
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Journal Title
Nature communications
Volume: in press
Pages: -
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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