2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K17613
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
魚崎 英毅 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90740803)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 心筋細胞 / 成熟 / 細胞外マトリックス / PDMS |
Outline of Annual Research Achievements |
当初計画では培養基材の硬さと成熟関連転写因子群の活性化や培養基材の硬さと心筋細胞の成熟をつなぐセンサー分子の同定を目標とした。 まず、多能性幹細胞から分化誘導した心筋細胞(PSC-CMs)を様々な硬さのPDMSでできた培養基材に播種したところ、これまで用いてきた0.1% Gelatinでは細胞が接着しなかった。そのため、まずPSC-CMsを接着させるための細胞外マトリックスの探索を行った。PMDSに対する細胞接着はマトリゲルにより強力にサポートされた。また、コントロールとしてプラスチックディッシュをマトリゲルによりコートした条件で、PSC-CMsの成熟が促進していると考えられた。そこで、細胞外マトリックスがもつPSC-CMsの成熟に対する影響を検討した。細胞外マトリックスとして検討したのは、ファイブロネクチン、I型、III型、IV型コラーゲン、各種ラミニンE8フラグメント(LN-111からLN521まで11種類)である。また、我々が独自に樹立した成熟レポーター細胞Myom2-RFPを用いて、PSC-CMsの成熟を評価した。 いずれの細胞外マトリックスを用いた場合でも、Myom2-RFPはおおよそ60%前後であり、コントロールと変わらなかった。一方、RFP陽性細胞での蛍光強度を測定すると、多くの細胞外マトリックスで蛍光強度が増加し、特にLN-511およびLN-521を用いたときにその蛍光強度が増加した。すなわち、ラミニンα5により心筋細胞の成熟が促進すると考えられた。 研究代表者の国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))の採択に伴い、本研究は2019年10月に廃止となった。そのため、培養基材の硬さと心筋筋細胞の成熟に関する検討は十分に行うことはできなかったが、特定のラミニンにより心筋細胞の成熟が制御されているという今まで知られていない新しい発見に至った。
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