2019 Fiscal Year Research-status Report
平滑筋細胞特異的Creで標識される血液細胞の循環器疾患における役割の解明
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19K17622
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
石橋 知彦 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (30722285)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 平滑筋細胞 / 肺動脈性肺高血圧症 / gp130 / サイトカイン / IL-6 / リンパ球 |
Outline of Annual Research Achievements |
血液細胞および血管平滑筋細胞は、動脈硬化症をはじめとする循環器疾患の病態形成に深く関与することが知られている。細胞系統特異的なCreマウスは循環器領域の研究において広く使用されているが、我々は平滑筋特異的Creマウスとして汎用されているSM22α-Creマウスで、実際には血液細胞の一部でもCreリコンビネーションが生じていることを見出した。本研究では、このような平滑筋特異的Creマウスで標識される血液細胞の特性を明らかにするとともに、循環器疾患における意義を明らかにすることを目的とした。 我々はIL-6などの炎症性サイトカインが肺高血圧症の病態形成に重要であることを報告しているが、この標的細胞を明らかにするため、IL-6受容体を構成するgp130のfloxマウスを各種細胞系統特異的Creマウスと交配させ細胞系統特異的gp130欠損マウスを作製し、低酸素誘発性肺高血圧症 (HPH) モデルマウスを作製して病態を評価した。この結果、SM22α-Creを用いたgp130欠損マウスではコントロールと比較して肺高血圧症病態が改善する結果を得たが、別の平滑筋特異的CreマウスであるSMMHC-CreERT2マウスでが病態改善は認めなかった。この差異はSM22α-Creで標識される血液細胞が原因ではないかと考え解析を進めたところ、gp130 flox; SM22α-CreマウスではCD4陽性リンパ球の一部でもgp130欠損が生じていた。この結果をふまえ、CD4-Creマウスを用いてCD4陽性リンパ球特異的gp130欠損マウスを作製してHPHモデルの評価を行ったところ、SM22α-Creマウスよりさらなる病態改善が認められ、CD4陽性細胞におけるgp130依存性サイトカインシグナルが肺高血圧症の病態形成に重要であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では令和元年度に実施する予定だった平滑筋細胞特異的Creマウスで標識される血液細胞の機能的解析や遺伝子発現解析は、マウスの準備状況等から令和2年度に実施することに変更した。一方で、当初は令和2年度に行う予定であった循環器疾患における意義の解析を先行して実施し、平滑筋細胞特異的Creマウスで標識される血液細胞が肺高血圧症の病態形成に重要であることを明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 平滑筋細胞特異的Creマウスで標識される血液細胞の特性の解析 SM22α-Creで標識される血液細胞の特性について、iTdTomato; SM22α-Creマウスを用いて、フローサイトメトリーによって解析する。このマウスを用いることにより、Creリコンビネーションが生じた細胞をtdTomato陽性細胞として同定することが可能である。tdTomato陽性の血液細胞分画とtdtomato陰性の血液細胞分画とをセルソーターで分取し、遺伝子発現解析、コロニーアッセイなどの機能解析を行い、その特性を比較する。 (2) 平滑筋特異的Creマウスで標識される血液細胞の循環器疾患における意義の解析 SM22α-Creで標識される血液細胞でgp130を欠損させると肺高血圧症病態が改善することは令和元年度に明らかになった。その機序をさらに明らかにするため、gp130 flox; SM22α-Creマウスで低酸素誘発性肺高血圧症 (HPH) モデルマウスを作製した上で、肺・骨髄・リンパ節から血液細胞を採取し、フローサイトメトリー解析によってコントロールマウスと比較する。さらに、セルソーターで各分画を採取し、遺伝子発現解析、in vitroの機能解析を行う。
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Causes of Carryover |
【理由】当初は令和元年度に実施を計画していた、平滑筋細胞特異的Creで標識される血液細胞の特性に関わる解析(遺伝子発現解析、機能解析)を令和2年度に実施することに変更した。このため、この実験に使用する目的で計上していた抗体などのフローサイトメトリー関連試薬、培養関連試薬の使用量が当初の予定よりも減ったほか、本実験のための研究補助員についても令和2年度に変更となったため、次年度使用額が生じた。 【使用計画】次年度使用額は令和2年度分と合わせ、フローサイトメトリー解析のための抗体や実験動物、細胞培養関連試薬の購入、研究補助員の人件費に充てる計画である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Ectonucleotidase CD39 is highly expressed on ATLL cells and is responsible for their immunosuppressive function.2020
Author(s)
Yasuhiro Nagate, Sachiko Ezoe, Jiro Fujita, Daisuke Okuzakis, Daisuke Motooka, Tomohiko Ishibashi, Michiko Ichii, Akira Tanimura, Masako Kurashige, Eiichi Morii, Takuya Fukushima, Youko Suehiro, Takafumi Yokota, Hirohiko Shibayama, Kenji Oritani, Yuzuru Kanakura
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Journal Title
Leukemia
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Endothelial Cell-Selective Adhesion Molecule Contributes to the Development of Definitive Hematopoiesis in the Fetal Liver.2019
Author(s)
Ueda T, Yokota T, Okuzaki D, Uno Y, Mashimo T, Kubota Y, Sudo T, Ishibashi T, Shingai Y, Doi Y, Ozawa T, Nakai R, Tanimura A, Ichii M, Ezoe S, Shibayama H, Oritani K, Kanakura Y
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Journal Title
Stem Cell Reports
Volume: 13
Pages: 992-1005
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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