2019 Fiscal Year Research-status Report
共培養モデルにおける肺線維症の病態解明とプラズマローゲンによる治療可能性の検討
Project/Area Number |
19K17644
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
中村 祐介 獨協医科大学, 医学部, 助教 (40743076)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 間質性肺炎 / 血管内皮細胞 / 線維芽細胞 / プラズマローゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の概要:特発生肺線維症IPFの病態形成において血管網の異常が病態形成を担っていると考えられ、それを阻害することが新規治療法のターゲットとなりうると考えられる。プラズマローゲンはその候補薬になる可能性があり、共培養モデルにおけるプラズマローゲン投与の影響を評価し、新規治療薬としての可能性を検討することが本研究の目的である。 2019年度実績概要:今年度は、共培養における各炎症性サイトカインの応答を評価し、プラズマローゲンでその反応における改善の有無を確認することであった。共培養の実験系は確立されており、問題なく実験することができた。プラズマローゲンでの関与は後述の如く予定どおりに評価できなかったが、炎症生サイトカインを添付した時の共培養の細胞動態の評価は可能であった。炎症生サイトカインによって、血管網形成は濃度依存的に変化することが明らかにした。また、その変化は、特定の阻害薬や既存の治療薬であるピルフェにドンにて減弱することが明らかになった。特定の阻害薬により、上記事象が関与しているシグナル伝達を推察することができた。また、炎症生サイトカインを添加した際の、細胞の凝集に関しても新規の知見として見出し、データを解析した。本事象はIPFにおける炎症後の血管網の異常並びに、肺容積の低下と関連している可能性があると推察された。 研究実績の概要:本研究に関連する細胞と脂質変化をまとめ、総論として報告した。さらに、本研究に関して学会発表も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では研究期間は3年を考えており、1年目では共培養における各炎症性サイトカインの応答を評価し、プラズマローゲンでその反応における改善の有無を確認することを計画していた。炎症生サイトカインに対する動態を確認しデータをまとめたが、プラズマローゲン投与までは至らなかった。原因として、培養細胞株のロット毎のフェノタイプが多少異なることが明らかになり、再現性確認に時間がかかったためである。一方で当初2年目に予定していた薬理作用の評価を一部実施始めた。
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Strategy for Future Research Activity |
元々の予定である1年目で共培養における各炎症性サイトカインの応答を評価し、プラズマローゲンでその反応における改善の有無の確認に対して、実施ができていないプラズマローゲン投与での反応を評価する。また、2年目で実施予定としていた薬理作用の評価も同時並行で実施していく。
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Causes of Carryover |
当初の会計予定では、次年度使用額の予定が0であったが、COVID-19関連で納品が遅れたため、残額が残っている計算となっている。基本的には発送遅延であるため、次年度繰越金は0である。
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Research Products
(4 results)