2020 Fiscal Year Research-status Report
共培養モデルにおける肺線維症の病態解明とプラズマローゲンによる治療可能性の検討
Project/Area Number |
19K17644
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
中村 祐介 獨協医科大学, 医学部, 助教 (40743076)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 間質性肺炎 / プラズマローゲン / 血管内皮細胞 / 線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の概要:特発生肺線維症IPFの病態形成において血管網の異常が病態形成を担っていると考えられ、それを阻害することが新規治療法のターゲットとなり得る。プラズマローゲンはその候補薬になる可能性があり、共培養モデルにおけるプラズマローゲン投与の影響を評価し、新規治療薬としての可能性を検討することが本研究の目的である。 2020年度実績概要:昨年度は共培養における各炎症性サイトカインの応答を評価し、プラズマローゲンでその反応における改善の有無を確認することを目標とした。炎症生サイトカインによって、血管網形成は濃度依存的に変化することが明らかにできており。その変化が特定の阻害薬や既存の治療薬であるピルフェニドンにて減弱することが明らかにした。特定の阻害薬により、上記事象が関与しているシグナル伝達を推察した。 今年度は前年度に実施できなかったプラズマローゲンの投与とその薬理作用を評価することを目標とした。プラズマローゲンの投与における変化を評価するための条件検討を実施しており、途中経過ではあるが、共培養モデルでは現時点で明らかな有益性が見出されていない。一方で、前年に先行して進められていた共培養モデルにおけるサイトカインに対する反応と、阻害作用における薬理作用は再確認できた。 研究実績の概要:関連する研究内容を国内学会で報告した。 1:第61回日本呼吸器学会,PP121,(著者順1/9) 2:第61回日本呼吸器学会,PP127,(著者順4/11)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プラズマローゲンの薬理作用の確認が不十分であり、条件検討を進める必要がある。 新型コロナウイルスの流行に伴う、臨床業務の負担増加から、本研究に使用できるエフォートが大幅に低下してしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、臨床検体を使用した検討を目標としているが、それと並行してプラズマローゲンの共培養における条件検討を行う。エフォート低下の原因となった臨床業務の負担増加は、新型感染症の実態が明らかになりつつあり、前年度ほどの負担増加とならないことが見込まれる。
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Causes of Carryover |
今年度は新型コロナウイルス感染症の流行に際して、臨床業務の増大から本研究を施行する十分なエフォートが得られなかったため次年度使用額が生じてしまった。今年度に予定して完遂できなかった研究と、次年度に予定している研究を実施するために、繰り越した分の研究費が必要である。臨床業務に関して、問題となっていた新型感染症の実態が明らかになり、対応がしやすくなったため、前年よりエフォートが低下することはないと思われる。
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[Presentation] BALF Lysophosphatidylcholine (16:0) is a possible universal biomarker for bronchial asthma by several mouse model2020
Author(s)
Yusuke Nakamura, Yasuo Shimizu, Yasuhiro Horibata, Yusuke Kitazawa, Nobuhio Uchida, Hiroko Morita, Ryo Arai, Kazuyuki Chibana, Akihiro Takemasa, Kenjiro Matsuno, Hiroyuki Sugimoto
Organizer
JSA/WAO Joint Congress 2020
Int'l Joint Research