2021 Fiscal Year Research-status Report
共培養モデルにおける肺線維症の病態解明とプラズマローゲンによる治療可能性の検討
Project/Area Number |
19K17644
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
中村 祐介 獨協医科大学, 医学部, 助教 (40743076)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プラズマローゲン / 血管内皮網 / TGFβ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の概要:特発生肺線維症IPFの病態形成において血管網の異常が病態形成を担っていると考えられ、それを阻害することが新規治療法のターゲットとなり得る。プラズマローゲンはその候補薬になる可能性があり、共培養モデルにおけるプラズマローゲン投与の影響を評価し、新規治療薬としての可能性を検討することが本研究の目的である。 2021年度実績概要:前年度までは炎症生サイトカインによって、血管網形成は濃度依存的に変化することが明らかにできた。血管網の形成はその距離と分岐数を蛍光顕微鏡で画像取り込みし、解析ソフトウェアを使用し定量的に解析した。その変化の推定されるメカニズムである原因蛋白を明らかにでき、特定の阻害薬や既存の治療薬であるピルフェニドンにて、炎症生サイトカインによる血管内皮網形成阻害作用を軽減させることが明らかにした。2021年度も前年度に引き続きプラズマローゲンの投与における変化を評価するための条件検討を実施したが、共培養モデルでは現時点で明らかな有益性が見出されなかった。具体的には共培養条件下における血管内皮ネットワーク形成阻害の抑制作用が見出せなかった。動物レベルでも検討したが、プラズマローゲン投与に伴い線維化の改善は認められなかった。動物実験に関してはプラズマローゲンの投与方法の変更の余地があり更なる検討が必要である。今後の予定としては、引き続きプラズマローゲンの有効性評価のための条件検討を行う。並びに、これまで得られた科学的知見を論文化する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症における臨床業務の増加があり、当初計画していたエフォートを得ることが難しくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究時間の調整が課題となる。問題であった新型コロナウイルスに関しては、流行株の変化に伴い、幅広い診療科で対応が可能となったため、予定していたエフォートは得られると考えられる。 研究の遅れに伴って、研究期間の延長を申請した。最終年度であり計画よりは遅れてしまったが、現状までのデータを論文作成を行う。それに加え、引き続きプラズマローゲン投与の条件検討を行う。
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Causes of Carryover |
前年度は臨床業務増加に伴い、当初計画していた研究配分へのエフォートが低下したため、予定した研究ができないこともあり次年度使用額が生じた。次年度使用金に関しては前年度実施できなかった実験に関する必要物品の購入資金に充て、今年度の研究を継続するための予算とする。
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