2022 Fiscal Year Research-status Report
共培養モデルにおける肺線維症の病態解明とプラズマローゲンによる治療可能性の検討
Project/Area Number |
19K17644
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
中村 祐介 獨協医科大学, 医学部, 助教 (40743076)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 特発性肺線維症 / 血管網形成 / プラズマローゲン / TGFβ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の概要:特発性肺線維症(IPF)の病態形成において血管網の異常が病態形成を担っていると考えられ、それを阻害することが新規治療法のターゲットとなり得る。プラズマローゲンはその候補薬になる可能性があり、共培養モデルにおけるプラズマローゲン投与の影響を評価し、新規治療薬としての可能性を検討することが本研究の目的である。 2022年度実績概要:前年度までは炎症生サイトカインによって、血管網形成は濃度依存的に変化することを明らかにできており、その変化の推定されるメカニズムを明らかにでき、特定の阻害薬や既存の治療薬であるピルフェニドンにて減弱することを明らかにした。今年度も前年度に引き続き プラズマローゲンの投与における変化を評価するための条件検討を実施したが、共培養モデルでは現時点で明らかな有益性が見出されなかった。動物レベルでも 検討したが、プラズマローゲン投与に伴い線維化の改善は認められなかった。今後の予定としては、これまで得られた科学的知見を論文化する。今年度は間質性肺炎と脂質代謝に対しての論文を一報作成した。本報告では脂質代謝における特発性肺線維症における最新の報告をまとめた総説である。現在、本助成金にかかわる文献をもう1報作成中であり最終年度としてのまとめを行う。 Yusuke Nakamura and Yasuo Shimizu, Cellular and Molecular Control of Lipid Metabolism in Idiopathic Pulmonary Fibrosis: Clinical Application of the Lysophosphatidic Acid Pathway, Cells 2023, 12(4), 548
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症における臨床業務の増加があり、当初計画していたエフォートを得ることが難しくなったため。 前年度はコロナ対応に関して幅広い診療科での対応が可能となったため予定していたエフォートが得られる見込みであると記載したが、再流行に伴い呼吸器内科の業務負担が増加した。
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Strategy for Future Research Activity |
問題であった新型コロナウイルスに関して、流行は収束へ向かっていると考える。 これまでの研究の遅れに伴って、今年度も研究期間の延長を申請した。最終年度であり計画よりは遅れてしまったが、現状までのデータを論文作成を行う。
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Causes of Carryover |
前年度は臨床業務増加に伴い、当初計画していた研究配分へのエフォートが低下したため、予定した研究ができないこともあり次年度使用額が生じた。 現在論文執筆中であり、研究費は英文校正費と投稿費に使用する。
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