2020 Fiscal Year Research-status Report
新規ニューモシスチス肺炎モデルマウスの確立と発症に寄与する免疫不全機構の解明
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19K17650
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
三好 嗣臣 東邦大学, 医学部, 助教 (60833192)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ニューモシスチス肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
DKOマウスに発症している肺炎の起因菌がニューモシスチスであることが再現性をもって確認でき、発症前の若齢マウスではCD3(+)B220(+)の異常リンパ球の割合が増加していることがフローサイトメトリーによって再現性をもって確認された。肥大したマクロファージの所見からも免疫系の異常を発症していることはほぼ間違いないと考えられた。 現在までにニューモシスチスを培養する系は確立されておらず、菌体をいくつかの培地へ散布したり感染肺を静置したりするなどして培養可能かどうかを検討したが、他の雑菌の繁殖などが起き、最終的にニューモシスチスの培養は困難であった。同様に、感染肺を処理し、気管内投与しマウスに強制発症させる系の確立を試みたが、発症期間を早めることはできなかった。ニューモシスチスは菌の生死を判別することが困難であり、散布のため感染肺を処理した菌が死菌となってしまっている可能性などが考えられた。 さらにニューモシスチス肺炎の発症に寄与する因子を具体的に調べるために網羅的解析を行い、発症に寄与する候補因子を同定する予定であったが、老齢のコントロールマウスでのRNA抽出がうまくいかず中断している。その後、コロナ感染症の流行が重なり臨床業務がひっ迫したため、予定していた研究が行えていないのが現状である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ感染症流行による臨床業務の負担が増え、実験をおこなう時間の捻出が困難となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本マウスの組織像では多量の菌体が観察され、HIV感染者に発症するニューモシスチス肺炎と類似している。獲得免疫系の異常が発症に寄与するとされ、疲弊マーカーを発現してくるとされる。肺炎を発症した老齢マウスにおいて、上記の疲弊マーカーを解析し、さらに肺炎を発症していない老齢マウスとの比較を行うことで、どの因子が発症に寄与しているのかを解析する。 また、骨髄移植を行ったマウスにおいてもニューモシスチス肺炎を自然発症するかどうかを確認する。骨髄移植によって肺炎を発症しなくなるのであれば、骨髄由来細胞が肺炎発症に寄与している可能性が極めて高くなる。逆に自然発症するようであれば、上皮系細胞などの異常が肺炎発症に寄与するものと考えられる。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の流行により予定していた実験の大半が行えていないため、多額の次年度使用額が発生した。使用予定としては、当初の予定どおり、網羅的解析とフローサイドメトリー、PCR、免疫染色、培養などに使用する予定である。
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