2019 Fiscal Year Annual Research Report
EPCsを介した肺血管拡張薬によるCTEPH血管リモデリング抑制効果の解明
Project/Area Number |
19K17665
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山本 慶子 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (80836198)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 / リモデリング / 血管内皮前駆細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)は肺動脈内の器質化血栓に加え、末梢肺動脈リモデリングという要素を併せ持つ。血管内皮前駆細胞(EPCs)は内皮細胞へ分化しうる骨髄由来または組織常在性の細胞群であり、障害血管のリモデリングや修復に寄与すると言われているが、CTEPHにおけるEPCsの病態への寄与・薬剤に対する反応性は解明されていないため、CTEPH患者の骨髄由来循環血液中EPCsを単離し機能解析を行った。 riociguat内服群・Naive群の骨髄由来循環血からEPCsおよびEPCsのconditioned mediumを抽出し、hPMVECsとともに培養し、血管新生能評価としてのtube formation assayおよび修復能評価としてのwound healing assayを行い内皮細胞の機能を解析した。さらにrt-PCR法を行い、VEGF等血管新生に関する遺伝子やコラーゲンマーカー(COL1A1)や繊維化マーカー(CTGF)等の遺伝子発現を解析した。 結果としてriociguat群のEPCsおよびconditioned mediumと培養したhPMVECsの血管新生能および修復能はNaive群と比較し優位に亢進しており、Naive群のEPCsをsGCで直接刺激した効果より勝っていた。さらに、rt-PCRでも、riociguat群EPCsの遺伝子発現は健常hPMVECsとほぼ同等であったが、Naive群ではコラーゲンマーカーや線維化マーカーの異常な発現亢進が見られた。このことから、riociguatはCTEPHの内皮細胞に保護的に働いていることが示唆された。
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