2020 Fiscal Year Research-status Report
Functional analysis of NGFR positive cells in pulmonary arterial hypertension
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19K17670
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
五天 千明 金沢大学, 附属病院, 医員 (80802818)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経成長因子受容体 / 肺動脈性肺高血圧症 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年においては、骨髄移植モデルマウスを用いて低酸素誘発性肺高血圧症モデルを作成した。8週齢の野生型マウスに9.5GyのX線照射後、GFP陽性のNGFR遺伝子欠損および野生型マウス骨髄懸濁液を尾静注し、4週後に低酸素(10%O2)あるいは室内気に3週間暴露させた。その後、血行動態評価:として、マウス解析用心臓超音波装を用いて、イソフルラン吸入麻酔下に心エコーを施行した。さらに、イソフルラン吸入麻酔下にマウスの内頸静脈よりMillerカテーテルを挿入し、右室圧を測定した。安楽死後に肺および心臓サンプルを回収し、組織学的評価(H&E、Azan、EVG染色、Ngfr免疫染色)を施行した。結果、室内気と比較し低酸素下で右室収縮期圧は上昇し、肺小動脈の中膜肥厚、右室重量の増加を認めた。また、フローサイトメトリー法では、室内気に比較し、低酸素下でGFP+Ngfr+細胞が肺組織内で増加し、免疫染色によるGFP+Ngfr+細胞は低酸素下において肺胞内、および肺動脈周囲に散見された。これらの結果から、末梢血中に存在するNgfr陽性細胞が肺高血圧症の病態形成に関わりがある可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに肺高血圧患者において末梢血中Ngfr陽性細胞率が上昇していることを確認し、それらが肺高血圧症の病態形成に関わる可能性について肺高血圧症モデルマウスを用いて検討してきた。現状では、GFP陽性骨髄移植マウスを用いて、低酸素誘発性肺高血圧症モデルを作成し、肺組織内に末梢血中Ngfr陽性細胞の存在を確認した。さらにNgfr欠損モデルを用いて低酸素誘発性肺高血圧症モデルを作成し、肺高血圧症の増悪を確認しており、当初の予定通り概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、WTおよびNgfr欠損型低酸酸素誘発性肺高血圧症モデルにおける肺組織中の遺伝子profiling変化や、Western blotによるタンパク変動を検討し、肺高血圧症におけるNgfrの役割について検討中である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染予防対策のため、予定していた海外発表や国内での研究発表のための旅費が不要となったことや、実験の縮小などが影響し、次年度への使用額が発生しました。 引き続き、当初予定していた実験計画としてPCRやWBを行うための材料購入や、さらにRNAseqなども追加で行えるよう使用計画を立てています。
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