2021 Fiscal Year Research-status Report
免疫寛容の誘導を利用した喘息に対する経鼻投与型樹状細胞ワクチンの開発
Project/Area Number |
19K17671
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
古橋 一樹 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (70759935)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺樹状細胞 / 免疫寛容原性樹状細胞 / 喘息マウスモデル / 制御性T細胞 / アレルゲン免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、肺樹状細胞(LDC)サブセットについて、それぞれ異なるヘルパーT細胞(Th)へ分化誘導能を有し、B細胞を介した抗体産生を誘導する能力も違うことを示してきた。また、気管支喘息におけるアレルゲン特異的抗体産生において中心的な役割を担う濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh細胞)への分化誘導能の違いも明らかにした。このDCサブセットの中には、IL-10産生能の高い制御性T細胞 (Treg) を誘導する免疫寛容原性DC (tolerogenic DC)があることがわかった。LDCサブセットの中における免疫寛容原性DC を見出し、喘息モデルとその免疫寛容原性DCを用いて、気道における抗原特異的な免疫寛容を誘導と喘息の寛解を目指す経鼻投与型DCワクチンを用いたアレルゲン免疫療法の開発を目指す。 現在までにLDCの主要なサブセットであるcDC1(CD11c+MHC class2+CD64-F4/8-XCR1+CD172a- cells), cDC2(CD11c+MHC class2+CD64-F4/8-XCR1-CD172a+ cells)を肺から高純度で分離し、各表面抗原、サイトカイン産生能を確認し、単離したOVA喘息モデルの上記LDCサブセットとOVA特異的に反応するT細胞受容体を持ったOT-Ⅱトランスジェニックマウスから単離したナイーブT細胞を用いて、分化誘導したT細胞の解析を行えるex vivo共培養アッセイを確立した。一方、LDCサブセットの中でも表面抗原の発現プロファイルやサイトカイン産生能の違いにより更なるサブセットに細分類できることが判明し、その中でもCLEC10A(CD301)陽性のcDC2が最も効率的にTregを誘導するサブセットと同定された。更にTreg誘導に必須のIL-2産生能は他のサブタイプと比較し、CLEC10A陽性のcDC2で高い事が判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、令和3年度中にDCワクチン作製と経鼻投与後の局在と肺内動態の評価、気道炎症抑制効果を検討する予定であったが、LDCサブセットの更なる細分類によるTreg誘導能やRNAシーケンス解析等の追加検討を行なっている事に加え、コロナ禍による試薬・器具の納入遅延、感染対策や日常診療の業務量増加も影響し、予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記で同定した免疫寛容原性LDCを用いて、ex vivoでOVAあるいはHDMをパルスし、免疫寛容誘導DCワクチンを作製し、肺内での動態を可視化するため、蛍光標識した抗原を添加したDCワクチンも作製する予定である。作製した標識抗原添加・免疫寛容誘導DCワクチンを、野生型マウスに経鼻投与し、経時的に組織切片を作製して、鼻咽頭関連粘膜組織 (NALT)、鼻腔、肺、縦隔リンパ節などにおける局在を共焦点顕微鏡で確認し、経鼻投与したDCワクチンの動態を解析する予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進歩状況がやや遅れているのに伴い、試薬・器具及び実験用動物等の購入時期を遅らせたために次年度使用額が生じた。研究の進行に合わせて、計画通りの試薬・器具及び実験用動物等の購入を行う予定である。
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