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2019 Fiscal Year Research-status Report

睡眠時無呼吸重症度と糖尿病遺伝リスクを統合した糖尿病発症・増悪の予測モデルの構築

Research Project

Project/Area Number 19K17674
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

村瀬 公彦  京都大学, 医学研究科, 特定助教 (40791968)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords睡眠時無呼吸 / 糖尿病 / 遺伝的リスク
Outline of Annual Research Achievements

1) 一般人口を背景とした約7,000人の大規模ゲノムコホートにて、糖尿病の発症・増悪における睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome: SAS)の寄与を横断かつ縦断的に解析している。コホート研究において重症SASと糖尿病の家族歴を有する場合に、どちらか片方のみを有する場合と比較して、糖尿病のリスクが相乗的に高くなる事実を見出した。SASと糖尿病の遺伝背景が相乗的に糖尿病発症・増悪に影響を与えていると仮定して、約80個の糖尿病感受性遺伝子とされる一塩基多型より遺伝的リスクスコア(Genetic risk score: GRS)を、遺伝子情報が解析されている4,176人にて算出した。横断的な多変量解析においてGRSはHbA1cにBody Mass Indexと同等程度に寄与していた。今後、縦断的なデータを含めて、糖尿病とSASの関連が糖尿病GRSによって変化するか否かを検証する。
2) 上記コホート研究において得られたデータをもとに、糖尿病腎症早期に出現する微量尿中アルブミン量とSASの関連性を検証した。多変量解析にて、SASの重症度の指標である3%酸素飽和度低下指数(oxygen desaturation index: ODI)は尿中アルブミン量に対して独立した正相関を認めた。(β = 0.07, p < 0.001) さらに、3%ODIと平均血圧は尿中アルブミン量へ正の交互作用を有することが示された。(β = 0.08, p < 0.001) SASと高血圧は相乗的に尿中アルブミン量の上昇に寄与しており、高血圧患者でSASを評価することで将来に腎不全に陥る患者を抽出できる可能性が示された。この結果は米国胸部疾患学会にて報告した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の主な目的は大規模ゲノムコホートにおいてSASと糖尿病発症・増悪の関係が糖尿病の遺伝背景によって変動するかを解析することである。睡眠および糖尿病データに関しては、もともと保有していた横断的データに加え縦断的なデータの取得を継続して行っており、2019年度において901名の睡眠データを採取している。これまでに取得した分と併せて約3,000人のデータで縦断的な解析が可能となっている。
糖尿病の遺伝背景の検証については、既報(Suzuki K et al. Nat Genet. 2019)をもとに、約80個の糖尿病感受性遺伝子とされる一塩基多型より遺伝的リスクスコア(Genetic risk score: GRS)を算出した。横断解析において算出されたGRSはHbA1cにBody Mass Indexと同等に寄与していた。
これらのコホート研究の中で得られたデータを用いて、臓器障害の最も早期に現れるマーカーとして注目されている尿中の微量アルブミン尿とSASとの関連性を検証し、SASと高血圧は相乗的に尿中アルブミン量の上昇に寄与しており、高血圧患者でSASを評価することで将来に腎不全に陥る患者を抽出できる可能性を示した。この研究結果は米国胸部疾患学会にて発表した。
今後、睡眠データやGRSのデータを含めてSASと糖尿病の関係性を検証していく予定であり、解析に必要となるデータは着実に蓄積されており順調に進捗していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

コホートにおいて、睡眠障害および糖尿病に関するデータの収集を続け、縦断的データの蓄積に努める。コホート参加者のジェノタイピングを進め、参加者全員での糖尿病感受性遺伝子のGRS算出を目指す。
これらのデータを蓄積することで、一般人口における糖尿病の発症・増悪に対し、糖尿病の遺伝背景とSASがどのように貢献しているか検証可能となる。また、GRSを算出するために対象としている80個の一塩基多型の個々がどのように影響しているかを解析することで、将来糖尿病を発症・増悪するリスクの高い個人を抽出する方法を、SASとの関連から検証することを予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Additive impact of sleep disordered breathing and hypertension on microalbuminuria in community-dwelling adults: The Nagahama study2019

    • Author(s)
      Kimihiko Murase, Takeshi Matsumoto, Yasuharu Tabara, Toyohiro Hirai, Fumihiko Matsuda, Kazuo Chin et al.
    • Organizer
      Annual Congress of American Thoracic Society
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-01-27  

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